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部屋は眠る時しか使いません
その日の晩…………
簡易的な食事を持って、女の子は階段を上がってきた。
部屋は昨日と同じだ。
「おや?」
私達四人は廊下で、女の子を出迎える形になった。
「ここで、受け取ります」
「あ、そうですか」
トレイの上に乗った食事を受け取ると、私達はその場で食べ始めた。
「ここで、食べられるんですか?」
「マナー的によくないのはわかっています。
……もしかして、廊下は飲食禁止ですか?」
「共用スペースなので、お断りすることもありますが……他にお客様がいらっしゃらないので、
今回は問題にしないことにします」
「それは、ありがとうございます」
「ですが、どなたかのお部屋でおくつろぎになられたほうが、食べやすいのでは?」
「……逆に聞きますけど、くつろげる部屋って、どこですの?」
「…………では」
女の子は会釈をして、その場をさろうとした。
「待てい!」
ちーちゃんが女の子の肩を掴んだ。
「なんでしょうか、昨日説明したようにノークレームでお願いしております」
「むっ……じゃあ、質問!」
「返答をお控えさせていただきます!」
「まだ、なにも言ってないでしょうが!」




