判明
雨が弱まってきた頃を見計らい、馬車を村に向けて走らせた。
行き以上にぬかるんだ道を進むため、安全にゆっくりと馬達を進ませた。
すると、行きは気づかなかった看板を見つけた。
「あ、これ、村への案内板みたいですね」
「本当だ……『イン・ビトロ村』って書いてます」
「そんな名前だったんですね」
すると、シンシアさんがちーちゃんの肩を叩いた。
「ねぇ、チヒロさん」
「うん?」
「前々から、思ってましたが、この世界の名称、どことなく英語っぽくありませんか?」
「名称……魔法とか?」
「そうですね、クリシュナさんの使う魔法を聞いてると、聞いたことのある単語ばかりですわ」
「街の名前も『リンドロンド』とか、どことなくぽいよね」
「今回の『イン・ビトロ村』もそうじゃありませんか?」
「イン・ビトロ……確かに」
二人の会話を聞いていた私は思った疑問をぶつけた。
「え、じゃあ、イン・ビトロってどういう意味なんですか?」
「うっ、それは…………実は私、余り英語が得意じゃありませんでしたの」
「ああ……聞いただけで、拒否反応出るタイプだったんだ?」
「その通りですわ……イン、が中というくらいはわかりますが、ビトロ?
お魚の部位でしょうか?」
「えっと、確かガラスじゃなかったかな」
「ガラス?ガラスも英語ではなくて?」
「ほら、ビードロって言うじゃない」
「ビードロ……聞き覚えはありますが、英語でしたか?」
「いや、語源は確かポルトガル語だったかな」
「ポルトガル語……余計わかりませんわ!」




