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立ち往生の危険性
どうすることも出来ず、その場で待機するしかなかった。
「魔法で雨自体はどうにでも、なりますが、雷が来るとまずいですよ」
「まずいって、具体的にはどうまずいんですか?」
「全体を守ることは出来ないってこと、固まれば私達と馬は守れるけど、積んである荷物は諦めないと……」
「だったら、避雷針とか作れないかな!?」
「この天候の中で、ですか?かえって危ないですよ」
「一時的でもいいんだけど、魔法とかでなんとかならないかな?」
「避雷針になる魔法……」
「それなら、周囲の木をいくつか氷魔法とかで、一時的に高くしましょう。
近すぎず、遠すぎず、安全な距離を測らないといけませんが、危険性は低いはずです」
「なるほど、そうしようか」
「えっと、確か4m以上、最低でも枝や葉からでも2mは必要だったはず」
「え、ちーちゃん、知ってるんですか?」
「一応、知識としてね。ただ、これでも落ちてからの電流を完全に防ぎきれるとは限らないらしいけど」
「いえ、その程度なら、耐電魔法をかけることで被害はほぼないはずです」
情報を整理した、私は必要と思った魔法を一つ一つ展開していった。




