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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第3章 奴隷少女
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奴隷の話

後は隔離(かくり)しながら、看病をして経過をみればいい。


街の外れ、森の入り口にテントを張ることにした。


テントを買ったことで、所持金はほぼなくなったが、宿を取る必要がなくなったので、

とりあえずはなんとかなる。


「あの……お名前はなんとおっしゃるのですか?」


「そう言えば、自己紹介もまだだったね。私はクリシュナ、クリスって呼んで。貴女は?」


「セレーナと申します。では、こちらもセレナとお呼び下さい」


「よろしくね、セレナ」


私は水の魔法と火の魔法をかけ合わせ、テント内に水蒸気を発生させた。


病状をよくするには加湿と換気にも気をつけないといけない。


「一週間くらいすれば、よくなると思うから」


「ありがとうございます。でも、どうして見ず知らずのわたしにここまでしてくれるのですか?」


「えー?そんなの……目の前に死にそうな人がいて、自分なら助けられるんだったら、誰だって助けようとするよ」


「……そう、なんでしょうか?」


「そうだよ」


セレナは首をかしげていた。


「ところで、セレナはどうして、あんな場所にいたの?」


「…………捨てられたんです」


「捨てられた?」


「わたしは……お金持ちの家で飼われていた奴隷なんです」


「奴隷……そういえば、そんなこと言ってたね」


「でも、元の主人が亡くなり、奴隷商人に引き取られたんですけど……病気で売り物にならないから、と」


「それで……あの山の中に?」


セレナは頷いた。


自分の中に言いようのない感情が駆け巡った。


つまりは、奴隷商人は自分の手を汚さず、使い道のなくなったセレナを殺そうとしたのだ。


そんなことはまともな人間のやることじゃない。


「……セレナ、知ってる?奴隷って今では違法なんだよ」


「そう……なんですか?」


「病気が治ったら……教えてくれる?その奴隷商人のこと」


「ど、どうするおつもりですか?」


「……ちょっと、()()をしにいこうと思うんだ」

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