喋り方の問題
「とにかく、敬語だと距離感じるんだけど」
「うーん……でも、チヒロさんは一つとは言え、年下ですし」
あくまで、本人の主張通りなら、という注釈はつくが。
というか、本当に勇者だったとしたら、相当年上の可能性がある。
「後輩みたいな感じ?でも、世話になってるのこっちだしな……」
「本人がしっくりくる形でいいんじゃないですか?無理に呼び方を変える必要はないと思います」
セレナが助け舟をだしてくれた。
「なんか、変に頑固だよね。セレナちゃんも口調変えてくれないし」
「わたしもこれで、慣れてますから」
「でも、これじゃあ、新参者なのに、偉そうじゃん」
「別に気にしないと思いますが」
「特に意識しませんわ」
「お好きにして下さい」
「ほらー!これだとめちゃくちゃ浮くってー!」
「あらあら、困りましたわね」
「めちゃくちゃ、困ってなさそうに言わないでよー!」
「まぁまぁ、好きにしたらいいじゃないですか。
私達もこれが、好きにした結果ですし」
「そうは言っても、同調圧力が……」
「?別に圧力なんて出してませんよ」
「素で、これなんだろうけど……空気の問題だよ!」
「まぁまぁ、その内自分でしっくり来るほうに慣れると思いますわ」




