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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第3章 奴隷少女
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受け皿として瓶を置き、取ってきた薬草と買ったばかりの果物をそれぞれ掴んだ。


必要な成分は判っている。


なら、あとは加工方法を考えればいい。


両手に魔力を込め、材料を一つ一つ、圧縮・分解し、ボール大の魔力と成分の渦へと変換していく。


「分解完了――次は――」


必要な加工を魔力のボールの中で施していく。


それぞれの栄養素を最大限活かせるように魔力の仕切りを作り、加熱、凍結、乾燥、灰汁抜きまで――


そして、今度は仕切りを外し、成分を合成――合成したものに再度必要な加工を施し、別の成分を合成。


「――出来た」


だけど、これで気を抜いてはいけない。


複雑に絡んだ魔力を引き抜き、本来ある形へと戻していく――下手にこのまま渦を外してしまうと暴発する恐れがある。


慎重に慎重に――私の額には汗が浮かんでいた。


余分な魔力を削いだところで、薬を瓶に移す。


その際には時間がかかっても魔力のフィルターを作ることで、余分なカスを排除し、純度の高い薬を作ることを忘れてはいけない。


「これで、よし!」


薬が出来たところで、背負っていた少女を抱きかかえコップに移して渡した。


「自分で飲める?」


「は、はい……」


そう言う少女だったがコップを持つのもやっとのようだった。


「……わかった。貸して」


「?」


私は少女からコップを受け取ると薬を口に含み、そのまま少女に口移しした。


「!?」


「ふぉっ!?」


思った通り、飲み込む力も足りていない。


私は微量の電気を魔法で送ることで少女に薬を全て飲み干させた。


唇を離して少女の顔を見る。


少し顔が赤いのは血色がよくなった証だろう。


徐々にだが、薬が病原を排除しようとしているのがわかった。


「うん……あ、イワノフさん!」


「えっ!?な、なんだい!?」


「コップありますか?」


「あ、あるけど……」


「じゃあ、この薬を移すのでイワノフさんも念のため飲んでいて下さい。予防にも効くので」


「あ、ああ、色々とありがとう」


「?別にイワノフさんには大したことしてませんよ?」


「いや、色々ね。色々」


「……?」

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