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転生者と転移者の邂逅
「ここは……どこですか?」
それが、少女の第一声だった。
「気がついたんですね!」
「あなたは……?」
「私はクリシュナと申します。あなたは?」
「え……えっと、サイドウ……チヒロです」
「サイドウさん、ですか。珍しい名前ですね」
「クリシュナさん」
シンシアさんが遮るように声をかけてきた。
「サイドウが姓ですわ」
「あ、そうなんですか」
「は、はい……あの、ところでここはどこなんですか」
「ここは『リンドロンド』にある宿です」
「り、りんどろんど?外国?」
「え?えーと……チヒロさんはどこから来たんですか?」
「に、日本です……あれ、どうして、言葉通じてるんだろ」
「ニホン……そんな国あったかな?」
「ちょっと、いいですか」
シンシアさんが割って入ってきた。
「アタシに任せてもらえませんか?」
「あ、はい」
「チヒロさん。何となく、あなたの事情は察してるんだけど、自分のこと、詳しく話してくれない?」
「自分のことと言われても……何から話せば……」
「歳は?見たところ、学生のようだけど」
「歳は17歳です。静蘭高校に通っています。二年生です。」




