大体、収集をつけるのは素面の人
「うひひ、光ある限り、影は生まれ続けるのよ……」
「だっからさ~オレぁ、心配なんだよ~お前が!」
「わかりますよ~わかります。でも!私は!」
「いやいや、オレぁ、お前が思ってる百倍はさー」
「いえいえ、わかってますってー」
「……案の定、ですね。収集がつきませんよ、これ」
「くっそぉっ!なんで、アタシを裏切った、アルベルトぉぉぉぉっ!」
「あの、個人的な恨みはわかりますけど、お店の迷惑ですよ」
「アルベルト?あるベルト?ここにある、ベルト?うっひゃっひゃっひゃっ!」
「どこが面白いんですか!?自分で言って、勝手に笑わないで下さい!」
「アルベルトアルベルトって、そんな事よりアルスフォードでしょーが!」
「あの、そうなのかも知れませんが、お店の迷惑ですって……」
「アルスフォードって、チョコレートみたいな名前だよね……」
「異世界ではそうなんですか!?知りませんって」
「んだよ!兄貴馬鹿にすんなよな!」
「それは、そうですね!」
「あ、でも、アル兄さんの名前でチョコレート売ったら大儲け出来そうですね」
「クリスさんがそんなこと言わないで下さい!」
「うひひ……いいね、ゴーストがアタシに稼げと囁いてくる……」
「シンシアさん、情緒不安定ですか?」
「……傭兵って、必要経費多くて思ったより儲からないんだよなぁ」
「そんな話、聞きたくなかったです」
「エル兄さんはプロテインとか良さそうですね」
「その商魂、いつ生まれたんですか!?」
「な、なぁ、嬢ちゃん。そろそろ店仕舞いにしたいんだが」
「……あ、はい。お開きですよ!お開き!」
「なんでよー!アタシの酒が、シャケが……ツナ?」
「何言ってるんですか?立てます?」
「ふ……立つことなど、たやすい」
「別にそんなこと自慢されても……」
「あ、エル兄さん、ゴチでーす!」
「え、あ、おう……」
「さぁー!みんな、今の内に上がりましょ」
「く、クリスさん?」
「……これが、節約術よ」
「ブラック・クリス……!」




