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最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第5章 戦い続ける少女
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一閃

私ではエル兄さんに敵わない。


そんなことは何度も……幾度となく言ってきた結論だ。


限界に近づいていることで、脳内は逆にクリアになっている。


今の私に出来る方法……唯一の勝筋を私は見据えていた。


()()()()()()()のなら――


()()()()()()()()すればいいんだ。





「――」




イメージする。



エル兄さんに勝てる相手を。



そう、私は――




「……来い!」


私は地を蹴る。


そして、最速の一閃を叩き込む。


「――」


「馬鹿正直に!」


そして、その一撃はいともたやすく受け止められる。






「――」





そこが、”起点”だ。







模倣(イメージ)しろ。






「!?」





私は、、、、、、






今の私は――――








「『無形の型』」







――――『剣聖』(ランパード)だ。








「!?」






剣が蛇のように(うごめ)く。



そして、刀身はエルグラドの胴を捉えていた。









――――








私の前でエル兄さんは座り込んでいた。

横腹を押さえ、指の隙間から血が流れていたのは、私の剣が届いた証だった。


「……」


「なんだ、今のは?鎧がなければ、胴を薙ぎ払われてもおかしくなかった……!」


「……今のは借り物の技です」


「借り物だと……?」


「『剣聖』……ランパード兄さんの模倣です」


「!!……ふ、ふふ、そうか。確かに『剣聖』の剣ならオレに届くだろう」


「……」


「いいだろう。お前の勝ちだ」


「私の……勝ちでいいんですか?」


自分が言うのもおかしかったけど、勝負がほぼついていたにも関わらず、

悪あがきをして、決め手は人の技。


「ふん。誰かの技だっていうなら、殆どの技はそうじゃないか」


「……私は最後制御が効きませんでした。」


エル兄さんは殺さないようには手心を加えていたけど、

私の最後の一撃は、エル兄さんを殺してしまってもおかしくなかった。


「だから、なんだって言うんだ。オレはこうして生きてる。それでいいじゃないか」


「……エル兄さん」


「なんだ?」


「お手合わせ、ありがとうございました」


「……ああ」

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