断言
「その辺のことは捕まえた婆さんが自供するか、次第だな」
「自供、ですか?」
「ああ、仮にその通りだとして、ちゃんと話すなら、それでよし。だが……」
「喋らなければ、ですか?」
「ああ、間違っているのか、それとも組織立ってる奴らの圧力がそれほどのものなのか、
判断が難しい」
「……」
「まぁ、そこまで考えることじゃない。オレの仕事はもう終わっている」
エル兄さんは私のほうに向き直った。
「もう充分、回復しただろう?話してもらおうか」
「どうして、私がここにいるか、ですか」
「ああ、正確にはどうして旅をしてるか、だな」
「……!」
「外の馬車、連れ立った仲間……様子を見た限り、明確な目的があってこの街に来た訳じゃないな」
「は、はい。私は武者修行を兼ねて、アル兄さんの捜索に旅に出ました」
「……そうか」
エル兄さんは立ち上がったかと思うと私に背を向けた。
「悪いことは言わん。帰れ」
「……え」
「ど、どういうことですか!」
私より先にシンシアさんが食って掛かった。
「単なる武者修行だと言うなら、それもありだろう。
だが、アルの兄貴の捜索だって?
まだまだ、クリスには荷が重い」
「っ!」




