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理解のある妹
「そんなことより、やめてください!」
「やめろって……このマリィが……」
「マリィさんがしでかしたことなんでしょう?
でも、暴力でマリィさんの心は動きませんよ、きっと」
リオ姉さんはマリィさんの方を見た。
マリィさんの口元は笑みで歪んだ。
「試してみますか?お姉様」
「っ……」
リオ姉さんは手を離した。
マリィさんはその場に倒れこんだ。
私はそのマリィさんの傍に歩み寄った。
「マリィさんも、ですよ。
あなたが暴力で折れないように、リオ姉さんもこんなことをして自分を曲げる人じゃありませんよ」
「ふ、ふふ……妹様は私達より私達のことをご理解いただけてるのですね……」
「……ごめんなさい」
知った風な口をきいている。
そう感じた私は思わず謝罪していた。
「どうして謝られるのですか?
間違ったことは言ってません。
私もお姉様も折れないでしょう」
「っ……マリィ!」
再び、リオ姉さんはマリィさんの胸倉を掴んだ。
「だったら!どうするんだ!?一生こんなことをするつもりなの!?」
「或いは、そう言うこともあるでしょうね」




