1080/1085
君でなくとも解決できる
階段を見つけた私は早足で降りていく。
この時、私は失念していた。
普段ならば、私が動かないと解決しないような出来事。
しかし、今、この場所には私以外に、解決することが出来る人間がいることを……
……
一階の階段は玄関門に繋がっていた。
そして、そこは広い空間が広がっており、そこにいた誰かが今まさに中央の大きな柱に倒れかかった。
「くっ……」
「え……マリィさ……」
「マリィッ!!」
その怒号に思わず縮みあがった。
リオ姉さんだ。
リオ姉さんは倒れそうになるマリィさんの胸ぐらを掴み、倒れることを許さなかった。
「こんな馬鹿な真似をどうしてしたっ!?」
「ハ、はは……そ、それが神の御心だと」
「お前の願望を、神の意思に置き換えるなっ!!」
そのまま締め上げるようにマリィさんを持ち上げるリオ姉さん。
流石にこれ以上は、マリィさんの命が危ない。
「り、リオ姉さん!マリィさん!」
私の呼びかけにマリィさんを締め上げるリオ姉さんの手がピタッと止まった。
「クリス!?どうしてあなたまで!?」




