1076/1085
拒絶
私は思わず目を背けた。
その反応が全てだった。
「……受け入れてはもらえないのですね」
「っ……!」
こうなってしまえば、誤魔化しても仕方がない。
「ええ……そうですね。
私にはそれが神様の意思だとは思えません。
あなたの……マリィさんの願望ではないかと思っています」
「……」
マリィさんの顔を直視出来ない。
顔をそらしたまま、マリィさんの返答を待った。
「……そうですか。
妹様もお姉様と同じ答えをするんですね」
「……」
そうか。
マリィさんは同じことをすでにリオ姉さんに伝えて、すでに拒絶されたのか。
「あはは、そういうところ、姉妹なんですね」
柔らかい言葉につられてやっとマリィさんの顔を見てしまった。
すぐに後悔した。
口だけで全く笑っていなかった。
「……残念です。本当に」
「……気持ちはその人のものですよ。
マリィさんもリオ姉さんも」
「気持ち?
いいえ、これは神のご意志と言ったはずですが」
「……そうでしたね」
私はマリィさんに背を向けた。
「いずれにせよ、協力は出来ません」
そして、足早に逃げるようにその場から去った。
「……そうですか」




