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愛ある指導()
指導に戻ったリオ姉さんだったが、
その指導は変わらず過激だった。
「どうしたぁっ!?もうへばったのか!!
お前は、聖騎士が膝をついていいと思っているのかっ!?」
「お、思ってませんっ!!」
「なら、どうするっ!?」
「身体を……もっと鍛えて……鍛えなくてはなりませんっ!」
「そうだ!
その状態でスクワット500!」
「はっ、はいっっっ!」
指導を受けている聖騎士見習いの表情が歪んでいた。
……
……正直、私がもっていたリオ姉さんへのイメージが粉々に壊れていくのを感じていた。
「あれもまた愛のムチでしょう」
それを察してか、マリィさんが声をかけてきた。
「え、ええ……そうだとは思います」
と言うか、そう考えるくらいしか、かろうじて同じリオ姉さんと考えることが出来ない。
「……クリス様は可憐だった頃のお姉様をご存知ですか?」
「え、ええ……」
その時、後ろで黙って見てたシンシアさんがぽつりと「可憐……」と呟いた。
意味を咀嚼出来ずにいたようだった。




