表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強一家の末娘~鬱フラグブレイカーの救済録~  作者: 結城コウ
第14章 邂逅する少女
1068/1085

一線を越えた者

「そうね……でもそれだけじゃない。

力はなくとも、人々を救った者の称号よ『聖女』は」


「では、他に何が?」


「わたしはなれなかった。

その資格を失ってしまったのよ、永遠に」


「どういう……ことですか?」


すると、リオ姉さんは自嘲気味に笑った。


「なまじ、僧侶としてだけでなく、腕っぷしにも自信があったことが災いしたわ。

……いえ、わたしが考えなしで愚かだった」


「っ……」


「人を殺めたの」


「!?……どうしてですか?」


「旅の時に襲ってきた野盗よ」


「じゃあ、身を守るためじゃないですか!」


「そうね。正当防衛だったとは思う。

でも、それで『聖女』たる資格は失ったわ。

人を救うべき『聖女』に殺生はタブー。

人はもちろん、モンスターも直接殺してはならず、

聖魔法で浄化することしか、倒す方法としては許されない。

これは、聖教会の教えでもあったのに、

わたしは大義があるからと、それを忘れて行動してしまったの」


「そんな……」


「わたしが大馬鹿だったの。

でも、自分の手が血塗られてしまったことを自覚したからこそ、聖騎士の道を進むことを選べたわ」


そこで、すっとマリィさんが入ってきた。


「……でなければ、今の学長としての立場……

聖教会内では『聖なる盾』と呼ばれる程の存在にはならなかったのかも知れませんね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ