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姉として
「……うーん」
リオ姉さんは後ろ髪を掻き上げた。
「それって、公私混同にならない?」
「さぁ?少なくとも問題にする者はこの場にいないとは思いますが」
「……神に仕える者がそれではいけないと思うのだけど」
「あらあら、妹様の質問に答えるのも後進の教育になりませんか?
神様は、妹様より聖騎士を優先しろとは仰らないと思いますわ」
「はぁ……あんなに可愛いらしかったマリィが、いつの間にこんなに弁が立つようになったのか……」
「……人は変わっていくものですよ。
お姉ーー学長がそうであったように」
「……わたしの欲目か」
リオ姉さんは頭をぶんぶんと振って、騎士達に向き直った。
「しばし、離れる。十分の休憩の後、わたしが戻らねば各自自主的に訓練をするように」
「「「はいっ!!」」」
騎士達が一斉に返事をしたのを見て、リオ姉さんは私の元へ来た。
「あ、あの、別に今でなくても……」
二人の間に口を挟めずにいた私は慌てて遠慮しようとした。
「いや、いい。
せっかく、来てくれたのに姉妹の話も出来ていなかったね。
お茶でも淹れて、話をしよう」




