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真意を知る
「あっ……と、マリィさんは、理由を知ってるんですか?」
マリィさんは、私の方を見ると、ふっと笑みを浮かべた。
「それは、直接"お姉様"……学長からお聞きになったほうがよろしいでしょう。
私から話してしまえば、それは私というフィルターを通した"マリィ=ベルの解釈"でしかありませんから」
「そ、そうですか、そうですね……」
なんだろう……?
間違ったことは言われてないはずなのだが、どことなく言葉に棘がある気がする。
もしかしたら、マリィさんにとってリオ姉さんが『聖騎士』になった件は触れてはいけないタブーだったのかも知れない。
と、思っていてら、マリィさんは鬼指導をしているリオ姉さんの元へつかつかと近づいていった。
「まぁまぁ、学長。厳し過ぎても、伸びる芽を潰してしまいますよ」
「マリィ!?……"副学長"」
……!そういう立場の人だったんだ。
「『聖騎士』の訓練は君の管轄外だろう。副学長とは言え、口出ししないでもらいたい」
「そうですね。ですが……妹様が質問があるようでしたので、一旦休憩されてはどうでしょうか?」
!
「ね?」
マリィさんはこちらを見て目配せをした。




