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罵声
ーー
「どうしたぁっ!その程度で立派な騎士になれると思ってるのかっ!」
「お、思ってません!」
「なら、今すぐ身体を起き上がらせ、腕立て伏せ300回!」
「は、はいっ!」
……
リオ姉さんは先程マリィさんにこう問いかけた。
"社会見学って何をすればいいんだろう?"
それに対するマリィさんの答えは単純で、
"普段通りでいいじゃないですか"
と言うものだった。
それを聞いて、渋っていたリオ姉さんの気持ちがわかった。
リオ姉さんは今、『聖騎士』として、理事ながら直接後進に指導を行っている。
ただ……なんというか、とても……
「スパルタ、だなぁ……」
私がボソリと呟くと、隣にいたシンシアさんが驚いたようにこっちを見た。
「あの……クリスさん。スパルタってご存知なのですか?」
「え?まぁ、普通の言葉じゃないんですか?」
「では、語源はご存知ですか?」
「語源?よくわかりませんけど、そういう言葉じゃないんですか?なんというか、"ハード"とか"シビア"みたいな?」
「……」
「シンシアさん?」
「いえ……そうですか、いつもながら不思議な方ですね、クリスさんは」
「??」




