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見学
「ふぅん……まぁ、わたしの仕事ぶりを見に来たと聞いて悪い気はしないけど」
リオ姉さんは照れたような表情になったが、すぐに困ったように頭を抱えた。
「でも、正直、見ていて面白いものじゃないよ。
それに全部が全部を見せれる訳でもないし」
「それは……」
「あらあら、社会見学とはそう言うものではないですか?」
何かを反論しようとしたところで、そうマリィさんに口を挟まれた。
「社会見学……そうか、そういうものか」
「妹さんのお勉強には付き合ってあげるのが、姉の役目ではないでしょうか?」
「まぁ……そうね、わかった」
なんだろう、マリィさんの口添えがあったからかも知れないけど、他のきょうだい達と比べてスムーズに受け入れてくれた。
……いや、よく考えると今回はアル兄さんの話をしていないからだろう。
「えっと、じゃあ、よろしくお願いします」
「うん…………ところで、マリィ」
「なんでしょう?」
「社会見学って何をすればいいんだろう?」




