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「妹?まぁ、いい。入ってくれ」
扉の向こうから、そう返事が返ってきたので、マリィさんはそのまま扉を開けた。
「ミカ?珍しいわね、あなたが来るなんーーえっ、クリス!?」
「リオ姉さん、お久しぶりです」
「……家を出てきたの?そう、あなたもそういう歳なのね」
「そんな、お年寄りみたいなことを」
「この仕事をしてると、老け込むのよ」
「は……」
冗談だと思い、笑いそうになったが、リオ姉さんの目は本気だった。
「それはそうと、何か用があるの?
それとも立ち寄っただけ?」
「ええと……」
しまった、どういう理由にするか考えていなかった。
もちろん、ただ会いに来たという理由も使えなくもないけど、
それだと"先"がない。
そう思っていると見かねたシンシアさんが間に入った。
「クリスさんは兼ねてより、お姉様方のお仕事に興味を持たれていましてその仕事ぶりを見学したいと思われてるのですわ」
「そうなの?ところであなたは?」
「失礼しました。クリスさんの旅に同行していますシンシアという者ですわ。
ご本人を前にされて、直接伝えるのは面映ゆいと思いまして、クリスさんのお気持ちを代弁させていただきました」




