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入場拒否
朝日が昇って来ている。
明朝から馬を走らせ、朝早い内から私達は『フォーグログ』に到着させた。
『フォーグログ』は街を城壁で囲い、通常のルートだと門からしか入れない様になっている。
門の前で馬を停めると門番らしき2人の憲兵に声を掛けられた。
「なんだ、お前達は?
入門許可証を持っているのか?報告は受けてないぞ」
心なしか、門番の態度が悪いように感じる。
馬車は長旅とちーちゃんと男との戦いの余波で小汚くなっていた。
メンテナンスをしたかったが、新しい布などは規格が合うものは大きな街につかないと手に入れられないことからそのままにしていた分、みすぼらしく見えたのかも知らない。
「入門許可証……ですか?」
念のため、私なシンシアさんを見たが、シンシアさんも困惑したように首を振るだけだった。
「えっと……それがないと街に、『フォーグログ』に入れないんですか?」
その答えを聞くと門番の態度はますます悪くなった。
「なんだ、何も知らずに来たのか?
その通りだから、さっさと迂回して行けよ」




