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合流
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蝶の誘導で、急行した私はなんとかその日の内に場所に合流することが出来た。
私の持てる能力をフル活用して、飛ばせるだけ飛ばしたから出来たことだ。
目にしたのは、セレナの隣に寝かされたちーちゃん。
多少の外傷はあるものの、眠っているようにしか見えなかった。
シンシアさんから、話を聞いた私は、それを事実として受け入れられなかった。
「……俄かには信じられません。
いえ、シンシアさんが嘘を言ってるとは言いませんけど、
でも、ちーちゃんが戦って……そんな風に敗れるなんて」
二手に別れる前、ちーちゃんとの手合わせを思い出す。
あの時、私は負けた。
その、私を敗ったちーちゃんが敗れるなんて、その相手は私よりも強いということだ。
そんな相手……
「その……それはどんな相手だったんですか?」
「男性だったとは思うんですが……顔を見てもよくわからなかったんです。まるでモヤがかかったみたいに……」
「顔を……認識出来ない……もしかして、認識阻害……?」
高度な魔法技術だ。
それだけでも、只者ではないと受け取れる。




