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彼女がいない馬車 18
「その言葉……あとから撤回しないでよ!」
チヒロは、剣の刃先を男に突きつけた。
男も銃口をチヒロに向ける。
「『次元砲』ッ!」
「!」
剣が開くと、同時に男は引き金を引いた。
弾丸が放出口に入ると、チヒロの剣は暴発した。
「あッ!?」
チヒロは剣を手放し距離を取る事で暴発から逃れる。
爆発の後、剣は地面に突き刺さった。
剣の周りの地面は次元砲の暴発に巻き込まれたことで、所々消滅していた。
「……何もかも不用意な」
呆れたように男は呟きを聞いて、チヒロは男を見た。
「話を聞くはずの此方を消し飛ばすつもりですか?
それにそんな発動まで溜めの大きい攻撃を無防備に……発射口を撃たれたら暴発するってことを考えなかったんですか?」
「……随分とワタシのことをご存知みたいだね」
「まぁ……」
一瞬、男はバツが悪そうに視線を逸らした。
チヒロはそこをついて、チヒロは剣を取りに走った。
「ふっ!」
男はそれを阻止しようと、ガンカトラスの刀身を放り投げ、
刃は剣を避けながらチヒロに向けて、弧を描くように放たれていた。




