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彼女がいない馬車 7
「有り体に言うとそうなると思う」
「……見た目JKなのに、アタシより年上……」
「え、JK?なに?」
「あ、いや、ごめん。大したことじゃあ……」
「まぁ、いいけど……喋り方、素のままだね」
「それはびっくりして……気にしないで欲しい」
「いいけど……とにかく、そういうことだから、
"向こう"の話でも、シンシアちゃんの時代の話は多分わからないと思う」
「そうだったん……ですね。分かりましたわ」
「……もしかしたら、これが原因かもね」
「え?」
シンシアに聞き返され、チヒロはハッとした。
面と向かって言うような話ではない。
だけど、口にしてしまった以上、変に誤魔化せないと思った。
「いや……ワタシ達が、話、合わないのって」
「あ、あー……」
要は世代間、ジェネレーションギャップのようなものだ。
「……」
「……」
一瞬の沈黙、しかし、二人が至った結論は同じだった。
「そうかも知れません」
「だよね」
そう言うことにしておいた方が、"そうじゃない"時よりカドが立たない。
それが共通の認識となった。




