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砂の海へ
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これからの『ギンギ』がどうなるかは、"今の"クリシュナ次第だ。
これ以上のことは、私が出しゃばるべきではないし、そこまで目を配ることは難しい。
ただ、未来は変えられるし、変わっていた。
この変化が、より良い方向に行ってくれることを信じている。
私はエネルギー補給として、簡単に朝食を頂くと、すぐに出発した。
クリシュナはゆっくりしていかないのか、と困惑していたが、急ぎの用があると言って断った。
外套などの装備と一緒に蝶を回収すると、
蝶の誘導に従って、走った。
「……でも、よく方向なんて分かるね」
「まぁ、わたしは使い魔みたいなもんやから。
主人であるセレーナはんのおる方向はなんとなく分かんねん」
「え、そうだったの?」
「せやで。そうやなかったら、基本馬車の中のセレーナはんの記憶を頼りに場所を割り出すことになんで?
まず、無理やろ」
「それはそうだね……ところで、何があったかわかったの?」
「それがやね……どうやら、ちーちゃんはんが"やられた"みたいやねん」




