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クリスの客観論
「!?……だと、しても!
そんな血塗られた歴史と決別しなければ……!」
「綺麗事をぬかすなっ!
そうでなければ、キサマとて生まれてないだろう!!」
「っ!」
気圧されるクリシュナを見て、私はヤンカム……王に向き直った。
「そうですね、現実は現実として受け入れなければいけません」
「!」
「キサマ……急にどういうつもりだ?」
「言葉の通りです。
今から調べようはないかも知れませんが、
恐らく事実として、そういうこともあったのでしょう」
「う、うむ……」
「しかし、"そんなことは関係ありません"」
「!?」
「過去のことではなく、今現在……"今の現実の話"として、
あなたは許されざる大罪を犯した。
ただ、それだけのことです。
今までが、どうだったかなんて……関係ないんですよ」
「なんだと……!」
「時代は変わっていくものです。
もしかしたら、昔はそうではなかったのかも知れませんが……
そんなモノは通じません。
そもそも、貴方は自身で自白してしまったんです。
そんなの、昔でも通じたとは思いませんが」




