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3 三人での夕食

もう少しでヤンデレになるはずw

「有り合わせでごめんね、じゃあ食べようか」


そう言ってから3人でいただきますをして食べる。メニューは豚の生姜焼きとご飯と味噌汁だが、水蓮寺は何やら美味しそうに食べてから言った。


「とっても美味しいです……先輩はお料理上手なんですね」

「そうかな?まあ、瑞穂よりは上手いかな」

「ぶー、そんなことないもん。なんなら今度作ろうか?」

「やめてくれ。お前が使った後の台所の片付け大変なんだから」


そんないつも通りのやり取りに水蓮寺はくすりと笑って言った。


「本当に仲がいいんですね」

「ま、兄妹だしね」

「水蓮寺さんとも仲良しだよ!」

「きゃっ」


嬉しそうに水蓮寺に抱きつく瑞穂。いやぁ、本当に妹の相手がいるだけでこうも負担が軽くなるとは素晴らしいものだ。このまま永住して欲しいものだがと考えてから苦笑する。


「あ、あの……霧雨さん……」

「瑞穂って呼んでよ。名字じゃお兄ちゃんと見分けつかないでしょ。あ、私は紗耶って呼んでいいかな?」

「え、う、うん。じゃあ、えっと、瑞穂さん?」

「うんうん、じゃあお兄ちゃんも名前で呼ぼう♪」


そんな無茶ぶりをされる水蓮寺だが、決して嫌そうではなくむしろ嬉しそうだった。まあ、あの不思議ちゃんには瑞穂みたいなうるさいのが似合うのだろう。


そう思いながら味噌汁を飲んでいると、思い出したように瑞穂は言った。


「そういえば、紗耶は彼氏いるの?」

「い、いないけど……」

「じゃあ、お兄ちゃんとかどう?」

「ふぇ!?」

「お兄ちゃん、女子力高くてキモイけど優良物件だと思うよー」

「そ、それは……」


ちらっと俺を見てから恥ずかしそうに視線を逸らす不思議ちゃん。うん、誤解はしないよ。多分普通にその手の話に免疫がないんだろう。


「瑞穂。早く食べないと生姜焼き貰うぞ」

「ダメ!豚さんは渡さないよ!」


キリっとそんなことを言う我が妹……うん、まだまだ春は遠いなぁ。そんなことを思っていると水蓮寺は何度か恥ずかしそうにしてから聞いてきた。


「あ、あの……先輩は彼女はいるんですか?」

「彼氏ならいるよー」

「ふぇ!?」

「さらっと、嘘をつくな。どっちもいないし、彼氏はいなくていいから」


危うく俺のキャラがホモォになりそうになるピンチはあったが、そこそこ平和な食卓を囲えたと思う。そう、今にして思えばこの頃の不思議ちゃんはまだ本性は出していなかったんだ。だってさ、ここからヤンデレになるなんて誰も予想してないでしょ。事実俺もしてなかってしさ。本当に世の中色々あるんだねぇ。




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