表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

パグ・チャド・ローの休眠

作者: 新井アラ

息抜き。

 薄明りの街灯が照らす夜の道。塾帰りのパグは、自転車のハンドルを人差し指でリズミカルに叩きながら、口笛を吹いていた。肩にスクールバッグをかけている。



 パグは自転車をこぎ進めていくと、四方にマンションが立ち並ぶ十字路に出た。いつも通りパグは右折し、自動車通りの多い道の端を通っていく。そして『あれ』が見えた所で、パグはほのかに眉を顰めた。



 『あれ』とは、架道橋の下に設けられたトンネル、俗に言うガードの事である。線路の下を掻い潜るように車道が続いており、その脇には少し高い位置に隔てられた下り上りの歩道があった。



 どうしても夜中治安の悪くなるこの街で、そのトンネルの壁一面には、薄気味悪いスプレーの文字が連なっているのだ。パグはそれが嫌いだった。



 地面が下り始めたところで、パグは直ぐに目をぎゅっと瞑る。視覚さえ封じてしまえば、どうってことないただの道だ。パグは風を切るのを肌で感じながら、勢い良く下っていく。



 あっ。不意にバッグが手すりに当たって、バランスを崩すパグ。驚いて目を開くと、目線の先にはカーブミラーがあった。


 カーブミラーは非常通路を映す為の備え付けなのだが、通路の奥に男がいたのを視認する。


 これはいけない、とブレーキを強く握ったが、中々スピードは緩まない。タイヤが擦り切れるような音をたてながら、着々と通路に近づいていく。


 そこでパグは気付いてしまった。カーブミラーと男の手の間には、透明な糸がぴんと張っているのを。


 パグの首が糸に差し掛かる。首には糸が切れ込んでいって―――


 スパ。グチャ。ドロ。


「おやすみなさい」


 男は呟くと、不気味に目尻を吊り下げた。

ネタ小説です。


スパグチャドロおやすみなさい→ス(パグ)(チャド)(ロお)(やすみなさい)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 目を閉じるんじゃないよ。普通に危ないわい。 こういう首なしライダーの事故実際あったような。ついでにそれを真似した事件も。 [一言] あとがきを見て、タイトル見直して、あとがき見て、ニヤ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ