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初めてこのノートに綴らせてもらう。先に言っておくけど、ごめんなさい、僕は男性だ。それでもオーナーの許しを貰ってこのノートを預かった。
僕はかわいいものが好きなんだ。ワイルドストロベリーのマグカップ、27センチのドール、ヒラヒラしたドレス。それも、多分君たちと同じ理由で。でも言われる、キモチワルイ。男なんだから。そんなこと言われるんなら男に生まれたくなかった。
僕のドールが母親に見つかった時、実は期待したんだ。だってうちの母親は少女趣味、赤毛のアンに憧れて煙突のある家に住みたいって今でも言うような人だから、きっと気に入ってくれるだろうなって。でも、返ってきた言葉は……思い出したくない。要するに期待は裏切られたんだ。結局そのドールは許されたけれど、でも何で許されないといけなかったんだろう。男だから買ってはいけなかった? なら僕はもう死ぬしかないじゃないか。
男に生まれたくなかった、そう思うよ。かわいいものは乙女のために作られたものだから。だから、このノートを取る乙女は幸せにかわいいものを享受してほしい。これはぼくからの祈りだ。
この次のページに綺麗な星座盤が貼られていた。