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起きれない日々が続いて、それでも立派にお腹だけは空くようで。薄く味のついた食事を取っては煙草を吹かすだけをしている。スマホから流れる曲に私が乙女だった頃を重ねてあの頃に死ねてたらなぁなんて。今の私は乙女じゃないよ、ごめんなさい。それでも書かないと返せないから、許して。
漠然とした不安、きっと死ぬんだろうなという淡い期待。立ち位置もわからなかったよなぁ、あの頃。今の私にはないよ。死ねないんだろうなって落胆、はっきりとしている「私は今ここで生きている」生きてしまっているの、私は。あの頃あんなに生きたくないって言ってたのにね。笑えないよ、踊るための歩道橋は撤去されてしまった。
足を滑らせるのが幸せだったね、きっと。乙女のまま、あの小説の女の子みたいに死ねてたらなぁ。もう遅いよ、もう私は乙女じゃない……生きてしまっている。
祈り、なんて何もないよ。私の祈りはもう届かない。もう私は乙女じゃないんだ。それでもかわいいものに縋って、アンプリのお洋服を着たり、このお店に行ったり……ごめんなさい。乙女じゃないのにこんな事をしてしまって。