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死にたい、しにたい、ちにたい。生きたくない。商業化されるメンタルヘルス、でも私は見世物じゃないよ。見世物じゃないからあのバンドのボーカルは死にたいなーって叫ぶ。あのアイドルもちにたいを歌う。下らない四つ打ちの死にたいなんかじゃなくて。でもね、私はしにたいの。死ぬでもちぬでも、生きないでもなくて。
夜になると町の電気で星が見えなくなるように、淹れたアールグレイが冷めていくように。音の粒がディレイの中で揺れるように、明け方に見えるビルの光、赤い地平線のように。何度も何度も頭の中をcandleがループするように、ふわっと飛び降りて風に乗るように。
でもせっかくならかわいくしにたいな。なんて考えている内はきっとしねないんだろうな。手首も切れないような臆病者だし。それでも許して、しにたいって言うことを。そして出来るなら私を殺してよ。