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プロローグ
「ママ〜!今日もこの本読んで〜!」
3歳くらいの小さな子どもが自分の体の半分ほどの大きさのボロボロの本を担いでパタパタと走ってくる。
「フフッ…良いわよ。
今日はどこから読みましょうか?」
ママは子どもの柔らかい紫色の髪の毛を撫で、優しい声で話しかける。
「えっとね〜…初めから!!」
「昨日の続きじゃなくて?」
「うん!!」
無邪気に答える子どもにママは嫌な顔1つせず、綺麗な手で表紙を撫でた。
「『私と桜の物語』」
ママは優しくページをペラリと捲る。
「『この物語は、ある女性とある男性が出会うところから始まります………』」
不慣れでございますが、よろしくお願いします!