第一話 まりさ、青年に出会う
東京都 原宿のあるアパートに1人の青年が暮らしていた。彼の名前は酒々井享栄大学1年になったばかりで何の将来も決めていない暇な人だ。酒々井はテレビをつけた直後にゆっくりが起こしたニュースが放送され、議題はほとんどが家荒らし、作物のかじりあとくらいだ。近々、一斉駆除も実施されているがゆっくりは一向に減少の兆しが見えないどころか増量の傾向に向かっている現実に駆除隊も頭を悩ませている。しかし、彼はゆっくりについて深く考えた。意外と真面目である。
「うーん、どうしてゆっくりは絶滅しないのかな? でも名前のとおりにゆっくりってなにかにつけて休暇をとる生き物だし、人間にすごく反抗的だけど・・どうして日本に現れたのかな? ゆっくりすることは休暇を取る、休暇を取ることは何か大きな仕事をやったのか、あるいは戦闘をしたついでに休息をとろうと日本にきたのかな?」とまあ、あくまで彼の勝手な推論であるが、彼の癖でもある。勉学は平凡だがしょうもないことには人一倍考える。そんな思考をしているうちにふっと時計を見ると遅刻ギリギリの時間になっており、彼は急いで大学行きのバスに駆け込んだ。 しかし、彼はうっかりドアを閉め忘れてしまったことに気がつかなかった。そして・・
「ここが、人間のおうちか。早くはいろう。」
「あーだるい・・疲れたなー、パソコンでも・・あ、閉め忘れたか。まいったな。1人暮らし早々やっちまったよ、誰も入っていないかな?まあいないよね、犬や猫でも追い出すけどゆっくりが侵入するわけ・・・」 「ゆ?」 「いたー!! ついにうちにもゆっくりの被害がキタ━(゜∀゜)━!」
(彼の心の声 やばい、どうしよ、こんな時はすぐに潰すのかな?どうすればいいんだ!)
「人間さん 魔理沙の話を聞いてほしいのぜ。」「聞きたくないよ!どうせあまあまよこせとか、おうちよこせとかでしょ。悪いことは言わないから出ていってよ。」
「違うのぜ、まりさは人間さんに大事なことを話したいのぜ。」
このまりさは見るからに善良でありゲスでもないけど人間に聞いてほしい話とはなんだろうか?彼は、半信半疑ながらもまりさの話に耳を傾けた。魔理沙が言うには幻想郷という場所から来ており、その地域ではしばしば人にはできない弾幕合戦をやっていたためほかの誰よりも負ける気がしない態度をとっていたのが魔理沙の性格。ある日、そんな弾幕合戦をしているうちに飽きてしまいどこか景観がいい場所でバカンスをしようと計画して最終的に地球の日本に決定した。けど日本がどのような国なのかを下見するためにゆっくりを使って日本がバカンスに適しているのかを調査するつもりだったが地球の何かしらの力が働き、魔理沙の意識がゆっくりに吸い込まれてしまった。そして運が悪いことに魔理沙の体が分解され、多くのパーツがゆっくり1匹、1匹ずつに分かれ散らばってしまったことに後悔したのちに性格だけが残ったオリジナルのまりさが残された。人間がゆっくりを虐待し殺すことで魔理沙は思い知らされた。早く幻想郷に戻らねばと!急いで幻想郷に戻ろうとするが結界があるため戻れなくなり今現在まりさは人間の世界でひっそりと生きている。
「ということだ すまない 許してくれ」
「このまりさ、正直な口調で話していることはマジのやつか・・・じゃあゆっくりは意地汚い害虫じゃなく単なる被害者じゃないか! ぼくらはそんなことも知らずにゆっくりをいじめていたのか・・ でもまりさ、どうしてそんな重要なことを僕に教えたの?」
「それは、幻想郷には普通の生き方を知らないし、ゆっくりになった今でも生き方を全く知らないの。幻想郷にはそういったことがないから・・ お兄さん教えてほしいの、ゆっくりが幻想郷に帰るまでに人間が住む常識を教えてほしいのぜ」
(このまりさは本気だ、こんなにお願いしてるのを断わるわけにはいかないし何よりゆっくりたちを幻想郷に返してあげれば人間は次第にゆっくりを忘れるだろう。)
「よし その考えに乗った。けど常識なんてどうやってすれば・・・」
「簡単だよ、ゆっくりは思い込みの激しい生き物だがらまりさに常識を教えてほしいの。そこからオリジナルの私がほかのまりさやゆっくりに人間のもとで暮らす常識を伝染し、やがてその常識はゆっくりが生きる大切な教えになるんだ。」
「わかった。やってみるよ。」
酒々井は今まで見たゆっくりのニュースで問題になっていることを今後一切しないことを魔理沙に伝えた。まず、ゆっくりは人間に逆らってはいけない、うんうんもちーちーもしない、食べたものは脂肪として蓄える(食い物がなくても3日は生きられる)飼いゆになった場合主人の困っていることを叶えていく、農村の場合は雑草の引き抜きを手伝う仕事をもらい食料をもらう、虐待され殺されそうになった時におたべなさいで自決すること。(声を出さなくても危険だと感じれば強制的に発動する。)
幻想郷に帰る間に人間の世で生きていくための常識をまりさに伝え終わるとまりさは大声を発し「ゆっくりまりさが伝えるよ!」と声にした後は目をつぶり、ほかのまりさやゆっくり達に伝染した。
「これで すこしはゆっくりできると思うよ お兄さん 」
「うん これでゆっくり達も楽に生きられればいいけど・・・まだ帰れないの?」
「そうなんだよ ゆっくりはまりさだけじゃない れいむもありすもいるからまだまだ始ったばかりだよ そこでお兄さんにお願いしたいの」
「まさかこの東京にオリジナルがいるのか?」
「そうだよ。お兄さんにはその仕事を頼みたいの。次は霊夢が来るから事前に特徴を言うとね、とにかく貧乏だからたくさん食べることが特徴だよ」
「わかったよ それでまりさはどうするつもり?」
「まりさはしばらく隠れいるよ お兄さんなら大丈夫だよ」
正直わからなかった。自分の発言がゆっくりを大きく変えることなろうとは思ってもみなかった。けど酒々井は人間の世界から出られなくなったゆっくり達を可哀想と思い1日でも早く幻想郷に返してあげればほかの問題なんか全部なくなる。そう、全部だ。
次は霊夢か・・・ どんなゆっくりなんだろうか・・・
ゆっくり虐待を見てなぜか可哀想な気持ちになり、そして哀れな存在としてゆっくりはひどい扱いを受けてきました。私は1度だけゆっくりを幻想郷に返してやる本格的な小説を書くことに決めました。これが動機です。