表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

お金と大事なものの選択肢

「初めまして読者の皆さん、俺のことはとりあえず世間のみんなが呼んでいる『巻き戻し屋』とでも呼んでください 」


「さて、皆さんはもし大金を手に入れたらどうします?すぐ使う人もいれば貯金する人もいるでしょう 」


「使う人でも様々な使い方があるかもしれません。例えば今回のお客さんのようにね 」


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


わぁーわぁーっ!!


「いけっ!!いけぇーっ!! 」


ピィーッ!!


『一着は3番でした』


「あぁーっ!?負けてしまった!? 」


僕の名前は万場健斗(まんば・けんと)25歳の無職


趣味はギャンブルで以前までは競馬に夢中だったがあることがきっかけで競馬を止め、今では競艇や競輪に夢中なのだが一度も大当たりを当てたことがなく、今日も負けてしまった。


「ハァ〜、一週間に当たっていたら今頃は大金持ちになっていたのかもしれないのになぁ 」


僕が競馬を止めたきっかけ


それは一週間前、残った退職金で贔屓(ひいき)にしている馬に全賭けしたのだが


あと数メートルで一着になれたところを


『あぁーっと!!ドンケツテイオー、転倒してしまった!!』


僕が贔屓しているドンケツテイオーが転倒してしまい最下位に


それ以降、ドンケツテイオーは競馬場で見かけなくなったけど今の僕には関係ない!


「あ〜あ、もう残り金が少ないな 」


あの時、ドンケツテイオーが転倒することがわかっていたら別の馬に賭けていたのに


「そんなこと言ったって時間が戻るわけがないし、昼飯でも食べにいくか 」


と、食堂に向かおうとしたその時


コツンッ!!


「んっ? 」


倒れている何かにつまずいた。


よく見てみると…


バァンッ!!


倒れているのは人であった。


「ひ…人が倒れてる!? 」


回りの人はレースに夢中なのか誰一人とて気づいていない


「だ…大丈夫ですか!? 」


仕方なく僕が倒れている人を抱き起こすと


ぐぅ〜っ!!


「へっ? 」


物凄いお腹の音が鳴り響いたかと思うと


「は…腹減った!? 」


倒れていた人が意識を取り戻した。


今時空腹で倒れる人がいるなんて!?


食堂


がつがつっ!!


「すごい食欲だな!? 」


あの後、出会ったのも何かの縁であり、優しい僕は彼に食事をおごってあげた。


「ぷはーっ!!食った食った!あんたありがとよ 」


「困った時はお互い様ですよ 」


そうだ。世の中は助け合わないといけないんだ。


「お礼に何かしてやりたいけど俺はお金持ってないから… 」


「いいですよ。お金なんて 」


だが彼は続けてこう言った。


「代わりに巻き戻しさせてやるよ 」


えっ?


巻き戻しってもしかして!?


「もしかして君は巻き戻し屋!? 」


「おっ!俺のこと知ってるの? 」


当たり前だ。


自分の好きな時間に戻らせ、やり直しをさせる巻き戻し屋はネットで有名だ。


単なる都市伝説かと思ってたけど実在するだなんて!?


彼が巻き戻し屋だと知った僕は


「お願いします!僕にはどうしても変えたい過去があるんです! 」


巻き戻し屋さんに頼んだ。


すると


「俺を巻き戻し屋だと知ってるなら話は早い。今から言う注意点を守ってくれたら巻き戻しさせてあげるよ 」


「注意点? 」


「そう。一つはやり直せるのは一度のみ!もう一つはあんたに何があっても俺には関係なし!この二つさえ守ってくれればね 」


「わかりました!守ります! 」


「それじゃあ話は早い 」


スッ!


彼は懐から懐中時計を取り出すと


「この時計を見ながら戻りたい時間を頭に思い浮かばせな、そうするだけで過去に戻れるぜ 」


「わかりました! 」


そして僕は一週間前のあの日を頭に思い浮かべた。


それから少しすると


「んっ…。あれっ? 」


僕はさっきまで食堂にいたはずなのにいつの間にか競馬場にいた。


「日付は確かに一週間前、僕は本当に戻れたんだ! 」


戻ったことを理解した僕はすぐに受け付けに向かった。


あの時はドンケツテイオーに一点賭けして負けたけれども


「ビリビリキングに一点賭けで! 」


あの日、一着なのは確かビリビリキング


いつもはドンケツテイオーに続いて負けてばかりの馬だが


あの日は一着になり、配当金も高額だった。


「本当にあの日と同じならばドンケツテイオーが落馬するはずだけど… 」


まさか僕が過去に戻ったことで歴史が変わるなんてことがあるかもしれないと思ったが


『あぁーっと!!ドンケツテイオー、転倒してしまった!』


そんなことは起こらず、ドンケツテイオーが転倒し


『一着は何と!?ビリビリキング!!配当金は百倍だぁーっ!!』


「やった!大勝ちだ!! 」


こうして僕は見事大金を手に入れた。


「まさか僕の人生でこんな大金を手に入れられるだなんて!? 」


競馬の結果がわかって賭けてるんだから当たり前だけどね


「今日は豪勢だーっ!! 」


僕はつい嬉しくなってしまった。


しばらくすると


「あれっ?迷ってしまった 」


嬉しくて競馬場をさ迷ってしまい


ついつい関係者以外立入禁止のところにやって来てしまった。


スタッフに見つかるとまずいと考え、すぐに去ろうとすると


「ドンケツテイオーはもう無理だな 」


スタッフの声が聞こえてきた。


「ドンケツテイオーがもう無理だって!? 」


その話を聞いてしまった僕はついつい声が聞こえてきた部屋に耳を当てると


「転倒した時に足の骨を折ったそうだ。かわいそうだが競争馬は走るのが仕事のようなもんだ。走れない馬に用はないってか 」


「馬主もあんな負け続きの馬のために手術費を出したくないって言ってるからな、殺されるだろうな 」


そ…そんな!?まさかドンケツテイオーが!?


だからその後のレースにドンケツテイオーの姿はなかったのか!?


と、ここで僕は何故ドンケツテイオーを贔屓にしていたのかを思い出した。


実は二年ほど前、初めて競馬をした際に賭けた馬がドンケツテイオーでその日は一着だった。


それ以来僕はドンケツテイオーに愛着がわいてしまい、勝っても負けてもドンケツテイオーに賭け続けた。


でも…ドンケツテイオーが殺されるだなんて


そして僕は…


バタンッ!!


「な…何ですかあなた!?ここは関係者以外立入禁止だから出ていきなさい 」


スタッフの声を聞かず


「このお金でドンケツテイオーを手術してください!! 」


スッ!


さっき儲けた大金を全額差し出した。


「手術ったって!? 」


「お願いします!ドンケツテイオーにはまだまだ走ってもらいたいんです! 」


ダッ!


「あっ!?ちょっと待って!? 」


僕はスタッフが止めるのを聞かずにそのまま駆け出していった。


と、その時だ


くらりっ


「うっ!? 」


ちょうど競馬場を出たところで僕は気を失ってしまった。


それから少しすると


「はっ!? 」


目が覚めた僕がいたのは食堂だった。


変わっているといえば巻き戻し屋さんの姿が消えてるくらいだった。


「そうか、あれは夢だったんだな 」


それにしてもリアル的な夢だったな


だが気になった僕が競馬場に向かうと


『さぁ、ドンケツテイオー!復活後の勝利となるか!』


えっ!?


姿を消していたドンケツテイオーがレースをしている!?


「ドンケツテイオーって前に転倒していたんじゃなかったか? 」


「それがとある金持ちがドンケツテイオーの手術費を出して治ったんだとよ 」


やっぱりあれは夢じゃなかった。


確かに僕は大金を手にはできなかった。


だけどそれでも構わない!


ドンケツテイオーが元気ならば!


「よし!ドンケツテイオーに賭けてやる! 」


・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


「読者の皆さんいかがでしょうか?彼は大金を手にすることより大事なものを守る道を選びました。ですが中には彼を『損した男』『偽善者』と思う人もいるかもしれません。もしあのまま彼が大金を手に入れる道を選んでいたらどうなっていたんでしょうかね?ではまた後にお会いできたら会いましょう 」


こういったジャンルって何ですかね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ