第1-3
優しい光りに包まれて、暖かい。
もう、死ぬのだろうか
後頭部に感じていた激痛が癒えていく。
「うっ……」
目を開けると、目の前に女の子。見た目が少しだけ、エバに似ていた。
「君は……天使?」
迎えに来たのかと言おうとしたが、すぐに止めた。
僕はベットの上で寝ていたし、とても天国だとは言い難かった。
「なっなによ天使って?! 変な事言わないでよ!!」
女の子は顔を少し赤くしてそっぽを向いた。
「いや、僕もう死んだのかと……」
「ドラゴンの上から落ちたくらいじゃ死なないわよ!バカじゃないの?」
なんだろう……
初対面だというのに言動が厳しくて、さっきから軽く傷つくのだが。この子は遠慮というものを知らないのだろうか。
「でも本当に、頭が割れるように痛くて……」
「割れてたわよ。血が出てたもの。止血して、一度ベッドまで運んで、回復魔法掛けてで、大変だったんだから」
両手を腰に当て、自分の功績を誇るその顔は、嫌みの無い清々しい表情だった。
その姿を見ていると、こっちの口角も自然と上がる。
「そっか、ありがとう。僕はアド・スノードロップ。君の名前は?」
「私はケイト。ケイト・チェリーブロッサムよ」
ケイトは誇らしげに笑う。