第8話:宣戦布告
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
高橋(3組クラスメイト):おい、瀬野なんかイライラしてね?
瀬野:俺が!?
高橋(3組クラスメイト):してるだろ、何かあったのかよ~、次もシュート頼むよぉ~↑。
瀬野:っだー!!!
高橋(3組クラスメイト):おい!!落ち着けよ!!
瀬野:何で普通に会話できるんだよ!!!
高橋(3組クラスメイト):ハ?・・・瀬野、病院行くか・・・?
場所は体育館―
蓮花:美里!ハイ!!
美里:おりゃー!!!
元バレー部の美里は、相手チームも引くくらいの掛け声でアタックをする。
蓮花:(・・・本番でもその掛け声なんだ・・・(-_-;))
美里:おっしゃぁ!!!勝!!!!
楓(3組クラスメイト):やった!男子も今試合やってる!これ勝てば決勝らしいよ!グラウンド行こう!
美里らはグラウンドに向かった。すると丁度試合終了ホイッスルがなった。
美里:あ、終わった!勝ったっぽくない?
蓮花:あ!!1-0で勝ちだよ!
楓(3組クラスメイト):て事は、明日4組と決勝だね。4組サッカー部結構いるから強豪らしいよ~。
蓮花:そうかぁ。
瀬野:お!!見たか!!俺様の活躍を~!!
そう言いながら男子らが美里らの方へ寄ってきた。すると・・・
高橋(3組クラスメイト):おい、瀬野、2組の女子が呼んでるぞ。
瀬野が振り向くと、高橋の後に女子が2人立っていた。
楓(3組クラスメイト):なんか告白っぽくない・・・?
美里:お~ぉ。
瀬野はてくてく歩いて女子の元へ向かった。
蓮花:あいつ何であんなモテるのに彼女作らないんだろうね。
美里:なんでだろうね・・・。
蓮花:あたしまた事務局行ってくるわ!
美里、楓(3組クラスメイト):いってらっしゃぁい!
蓮花がトーナメント表を記入、集計をしているとそこへ・・・
田中:早いなぁ木内。3組バレーもサッカーも勝ったろ?俺ら次決勝で3組とだわ。
蓮花:みたいねぇ。4組って強いらしいね。
田中:サッカー部多いからな。
蓮花:田中くん中学ん時から部活一筋だもんね。
田中:サッカーできれば飯いらねー!
蓮花:え!?
田中:そんな事もねぇか・・飯は大事だな。
蓮花:かなり大事でしょ(笑)。
2人が話しをしていると・・
瀬野:木内事務局忙しいのなぁ・・・
蓮花:あ、瀬野!田中くんうちのクラスの瀬野。
瀬野の事を名前で呼んだ蓮花に田中は少し驚いた。
田中:・・・次サッカーよろしく。
瀬野:こちらこそー負ける気はしねぇけどなぁ!
蓮花:瀬野、あんた初対面で失礼・・・(-_-;)。
田中:いや、いいよ(笑)。
蓮花:瀬野、さっきの女子やっぱ・・・
瀬野:あ?気きなるか!
蓮花:いや、全然。聞いただけ。(きっぱり)
瀬野:あぁいうのばっかだよ・・・。
小野(先生):田中、木内~、集計終わったかぁ?
蓮花:あ、あたしもってってくよ。
そういうと、小野先生の所へ集計表を持って行った。
瀬野:木内・・・田中・・だっけ?
田中:田中秀、田中でいいよ。
瀬野:そっか、田中とだけは話すのな。俺なんかもろ避けられるぞ。
田中:あー・・そうか・・・羨ましいな・・・。
田中は下を向き、目を伏せながらボソッと言った。
田中:あいつ男子嫌いだろ?その中に俺入ってねぇんだ。特別っちゃ特別かな・・・。
瀬野:なんだそれ・・・つまりあれか、男として見られてねぇって事か?本人が言ったのか?
田中:いや、中学ん時ガールズトークを聞いた。
そういうと田中は席を立った。
田中:木内も瀬野とはなんだかんだで話すよな。
瀬野:頼んだんだよ。
田中:頼む?
瀬野:嫌なんだよ。理由もなく避けられんの。どんな言葉使っても構わねぇから本音で話せって言ったんだ。
田中:・・・・・。
瀬野:サッカー負けねぇからな!
田中:あぁ。
小野(先生):田中!!ちょっとこれどうなってんだ?
小野先生に呼ばれた田中は、その場を去った。
瀬野:なるほどなぁ・・・。
瀬野は田中を見ながら独り言を言い、その場を去った。
田中:・・・・・。
田中は去っていく瀬野の後姿を見ていた。