第7話:距離感
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
球技大会当日―
美里:っさぁ~!!勝つぞ!初戦は7組っしょ?
楓:美里ちゃん、元バレー部なんでしょ?頼りんなるわぁ~!
美里:まっかしといてぇ!じゃんじゃんアタックするよ!!おりゃ~!!(エアーアタック)
楓:美里ちゃんかっこいい☆
蓮花は遠い目で2人を見ている。
すると蓮花の真横に瀬野がきた。
瀬野:男子は初戦6組だな。
トーナメント表を見ながら瀬野が言う。蓮花はじぃ~っと肩を見て・・・瀬野がそれに気づいた。
蓮花:・・・近い・・・
瀬野:お?始まったな。わかったよ。離れますよ~。
蓮花:本当に大丈夫なの?
瀬野:あ?適当な返事こかれて、うわっつらな会話されるよりましだけど?
蓮花:そうなの?
瀬野:俺はな。
美里:何なにぃ、瀬野さん(←バカにしている)また女装でもする気ぃ?
瀬野:お前いつまで女装ひっぱるんだよ!!!しつけーぞっ!!
美里:ハハハ!ごめんごめん。あ、初戦もうすぐだね。女子は午後からだから応援行くわ。あんたサッカーできんの?
瀬野:俺様の運動神経を甘くみるなよ!(片足を椅子に乗っけてちょっとポーズを決める瀬野)
美里、蓮花、楓:・・・・じゃ、応援行こっか!
瀬野:俺、選手だっつぅの!俺も行くわ!!
グラウンド―
男子3組VS6組のサッカー試合が始まった。
応援団:キャー!!瀬野くん頑張ってー!!!!
美里:うわっ。すっごい女子・・・あいつやっぱなんだかんだで人気あんなぁ。しかもあいつ本当に足早っ!!運動神経もいいのか・・・そらモテるわな。
蓮花:すご~い。そんなモテんの瀬野って。
楓:知らないの?入学初日から告られて結構噂んなってたよ。
美里:初日ぃ?もろ外見じゃんね。信じれん。
蓮花:美里、あたしちょっと委員の集まりがあるから、事務局行ってくるわ。
美里:ここいるから、終わったらおいでね。
蓮花:うん。
蓮花は事務局へ向かった。
委員がみんな集まっている。
田中:お、木内、今3組男子試合してんだろ?
蓮花:うん、してた。田中くんは午後からでしょ。
田中:おぅ、午後1番だな。木内も午後?
蓮花:うん、そう。
小野(先生):え~、全員集まったかなぁ?委員は、各自責任持って審判と点数付するようにな!あと、全学年の集計を2人にやってもらうから、1年は木内頼むな!・・・あと・・・
すると、
田中:先生、俺やる!
小野(先生):お?じゃぁ、田中頼むな。集計終わったら俺ん所来いよ。じゃぁ、解散~。
蓮花:田中くんいいの?
田中:あぁ、やりたかったから。
蓮花:ありがと。
田中:いや・・・そろそろ1試合終わる頃だから、点数聞いてくるわ!
蓮花:そうだね、じゃ、また後で!
田中は手を上げて笑顔でグラウンドへ行った。
蓮花は美里達の元へ向かった。
美里:お!蓮花!男子勝ってる!今3-0だよ!
蓮花:本当だ!
楓:内2点、瀬野が決めてるよ。
蓮花:へぇ、あ、また決めた!すごい4-0!?
ピー!!!試合終了のホイッスルと応援団の黄色い歓声がグラウンドに響いた。
蓮花:美里、あたしトーナメント表書きに行ってくる!
美里:忙しいね委員は。いってらっしゃい!
男子が帰ってきた。
瀬野:あれ?木内は?
美里:なんか、トーナメント表書きに事務局行ったよ。
瀬野:そっかぁ。
事務局―
事務局へ行くと、田中が先にトーナメント表を書きに来ていた。
田中:3組勝ったな!
蓮花:うん、そうみたい!試合ほとんど見れなかったけど(笑)。
田中はトーナメント表を記入し始めた。
田中:えぇっと、1組VS2組が・・2-1・・。
蓮花:あ、田中くん・・。
田中:どした?
蓮花:あ、あの、2組じゃなくて、3組に書いてるよ!!
田中:あ、本当だ・・・っ。
蓮花は笑いながら言った。2人の間に距離感はなく、普通に楽しそうに会話をしていた。
その様子を事務局に来た瀬野が遠くから見ていた。
瀬野:・・・・。