第6話:瀬野のお願い
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
次の日―
美里:瀬野さん(←バカにしている)、聞いたわよ(←まだバカにしている)。
美里は呆れた表情で瀬野を見ながら言った。
瀬野:『さん』付けすんな・・・冷やかしか・・・・・昨日、あいつにお礼言われたんだ。
何やら遠くを見つめるような表情で瀬野は言った。
美里:お礼。ふぅん。
瀬野:多分、あいつ、あぁいう事止めてくれって言いたかったんじゃないのかなぁ・・・けど大丈夫だからありがとうって言われたよ・・・。
美里:っそっ。(蓮花らしいや・・・)・・・顔が曇ってるよっ。聞きたい事あんだったらぁ、本人に聞きなぁ。蓮花の男子嫌いはさ、あの子自身、自分の問題としてずっと悩んできてるからね。あの子自身が誰かにどうにかして欲しいとは思ってないし、だけど理由はどうあれ、女装までしたんでしょ?単純に蓮花も嬉しかったんじゃん?
てかさ、あんたさ、女子に不自由してないじゃん?なんでわざわざ蓮花にちょっかいだすのよ。
瀬野:いや、あいつと普通に話ししてぇんだよ。なのに避ける避ける・・・。
そういうと、考え事をしながら教室を後にした。
美里:ていうか・・・あいつただのイケメンかと思ったら、結構人見る目あんじゃん。以外。
あぁいう体当たりタイプ初めてだね・・・田中と真逆か・・・大体の男子は蓮花の男子嫌い目の当たりにして去って行くのに・・・フフフフフ。ふぅん。
美里は不気味な笑い方をした。
場所は体育準備室―
蓮花は昨日作った垂れ幕の整備をしているとドアがガラガラっと開いた。
ドアの方を見ると・・・
蓮花:瀬野。おはよ。
瀬野:おすっ。木内、昨日の・・・
蓮花:女装?(笑)もうしないでよねぇ、お腹よじれるから(笑)。
瀬野:いや、正直に言ってくれねぇか?・・・・・・あぁいうの苦手なんだろ?
蓮花:・・・・・・・・・・・正直って・・・・・・・・。
蓮花は困った。しかし、瀬野がまっすぐこっちを見て聞いてくる。しばらくだまった後・・
蓮花:正直に言う・・・・・苦手!・・・だけど嬉しかったのは本当!だからお礼言った。
瀬野:そっか!
蓮花は拍子抜けした。
蓮花:何!?確認だったの!?
瀬野:あぁ。
蓮花:あそ。
蓮花は垂れ幕の整備を終わらせた。
瀬野:俺さ、木内がどんだけ男子苦手かわかんねぇ!何が嫌かもわかんねぇ。
そして、勘もそんなよくねぇ。距離の取り方とかいちいちめんどくせぇし。だからこれからは聞くぞ。そのかわり俺はへこたれねぇから聞いたら正直に答えろよ。
・・・じゃぁ関わるなとか言いたいんだろうが、俺は関わるぞ。
蓮花:何・・・
蓮花は何て応えていいか解らなかったが・・
蓮花:よくわかんないけど、瀬野にそこまで甘えられない・・・。あたし、何言葉にするかわかんないし、避ける以外思いつかない・・・避けるのが一番楽なのよ。中学ん時、それで失敗してんだよ。ひどい事言っちゃって、取り返しつかなくなるの・・・。
瀬野:まぁ、過去の事は俺はわからんが、今度は相手が俺だからな。言ったろ!そうして欲しいんだよ。俺は少々の事じゃへこたれねぇぞ。
蓮花:・・・・・。
すごく苦手だ・・・と心の中で葛藤があった。できれば即答で断りたいが、瀬野がまっすぐぶつかってくるので、避けられないと直感で思った。
蓮花:わかったよ・・・そうする・・・ように頑張るよ・・・。
瀬野:おし!!約束な!