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人を好きになる理由  作者: はすみ
価値観
46/49

第46話:決着&過去形

男子が苦手だった蓮花はクラスメイトの瀬野と付き合うことになり、父親とも和解しつつあった。そんな中、田中の友人、佐藤が美里の事を好きになり・・・続きは本編でどうぞ・・・

それから数日-



美里と未央が話をしてから数日、今日は美里と椿が9時上がりだった。



マスター:お~い、みさっちゃんと椿ちゃん!今日もお疲れ!9時だから帰っていいよ~。


美里:もう9時だ!椿!上がろうか~っ!(^^)!


椿:うん!マスターお疲れ様でした!


マスター:2人とも気を付けて帰れよ~。


美里、椿:はぁい!



2人はロッカー室へ行き、エプロンを取ると裏口から出た。すると、2人の女子と男子が1名裏口で椿を待っていた。この女子は以前から椿からカツアゲをしていた2人だ。



椿:・・・・美里ちゃん、先帰ってていいよ。


美里:・・・・。



とは言うものの、美里もさすがにその場を去る事はできなかった。



女子:椿、今日バイト前に会えなかったからさ~いつものって思って待ってた。


椿:・・・・。


美里:(男までいるし・・・)・・・椿、あんたさぁ・・・いつまでこんなの続ける気だよ。


椿:・・・・美里ちゃんには・・・解んないよ・・・。


美里:・・・うん、一生解らないと思うわぁ。


椿:!!


美里:あたしは、自分で守りたいもんや大切にしたいもんは自分で解ってるから。人に媚売る様なやり方でしか守れない様なもんなんて、必要ないし、要らない。


椿:・・・・あたしがこうしないと、妹が変わりになるの!妹守る為だったら、こんくらい何て事ない!


美里:ふーん・・・この場合はどうなんだろうね。根本的に自分を大切にしない人は誰も何も大切になんてできやしないし、守れないと思うけど。


椿:!!・・・・。



椿は妹を守る為にと思っていたが、美里の言葉に衝撃を受けた。



美里:まぁ・・・あんたがそれでいいなら、いんじゃない。



美里は少し不機嫌そうに椿を見ながら言った。すると、一緒に来ていた男子が・・・



男子:つうかさ、ごちゃごちゃうるさいし、あんた誰だよ。俺ら椿に用事あるから来たのにさぁ。



美里は自分に言われているのは解っていたが、しれっとしてその場にいた。



男子:無視かよ!!



椿:やめて!!!美里ちゃんには関係ないから・・・・。


女子:ごちゃごちゃ言ってないでさ、いつもの貰ったらすぐ帰るしうちら。椿ちゃん!


椿:・・・・・。


女子:早くしてよっもう遅いしさぁ。



椿はいつも通り、財布を出そうとしたが、さっきの美里の言葉が頭をよぎった。



女子:早く、椿ちゃん♪


椿:・・・・・・・・・やらない・・・。



椿は両手を握りしめて言った。



美里はハッと椿を見た。



女子:は?何?妹から貰っちゃおっかなっじゃぁ。


椿:!!やめて!それもさせない!!だらだらこんな関係続いてたけどっ・・・もう・・・一生ここには来ないで!



椿が一生懸命叫んで言っているのを聞いて美里は少し笑みを浮かべた。するとそこへ後ろから・・・



佐藤:あ~ここにいたんだぁ~美里ちゃぁん!お店行ったらとっくに出たって聞いてさぁ~。



美里が後ろを振り返ると、部活帰りの佐藤がニコニコしながら立っていた。



美里:拓!!



それと同時に佐藤はスタスタと男子の前に行った。



佐藤:お前さ、女子と一緒にこんな所きて楽しそうだなおいっ!



いつものヘラヘラした佐藤とは違い、ものすごい気迫で言っていた。



男子:な・・なんだよっ・・お前に関係ねぇだろっ。



気迫もさる事ながら、身長も佐藤は181cmでサッカーで鍛えている為、ガタイも良かったので、見た目から相手も少し引いていた。



佐藤:関係ねぇじゃねぇだろ~?未来の俺の彼女とその友達に手でも出してみろよっ、出るとこ出てやるからなっ!!それから・・・・



佐藤は女子達の方をギロっと睨むと、女子がすこしビクッとした。



佐藤:椿ちゃんの妹にも手~だしてみろよっ、お前ら一生嫁行けねぇようにしてやるぞ。嘘だと思うなよ。俺は守りたいもんは本気で守るタイプだからな。自分の守りたいもんさえ守れりゃぁ、手段は全く選らばねぇし、法律も関係ねぇぞっ!!



佐藤は最初は淡々と話していたが、最後はかなり怒鳴った。



女子:!!・・・・解ったよっ!帰ろうっ!!!



女子は、男子の腕を引っ張っぱりながら、3人はその場を去って行った。


辺りは、何事もなかったかの様に静まり返り、椿は気が抜けた様に、その場にペタンと座り込んだ。



美里:・・・・大丈夫?


椿:・・・うん、あの・・・美里ちゃん・・・。


美里:ん?


椿:・・・ありがとう・・・それから、美里ちゃんの彼氏さんも・・・ありがとう。


佐藤:いいぇ~(^^♪一件落着だねぇ~?またあいつら来るような事があったら言ってねぇ~。



椿はほっとしたように目を伏せた。



佐藤:椿ちゃんも今日は一緒に帰ろうか。


椿:いいえっ、大丈夫ですっ。


美里:一緒帰ろっ。



美里が笑顔で言った。



椿:・・・ありがとう。


佐藤:よしっ、帰るか~!美里ちゃんも俺がちゃんと送り届けるからね~(´∀`)


美里:ありがと。



佐藤と美里は、椿を1人で返すのは心配だった為、一緒に送って行った。



佐藤:椿ちゃん、遠慮しないで、何かあったらすぐ言うんだよ。


椿:ありがとうございますっ。


佐藤:も~椿ちゃんもタメなんだからタメ語でいいから~(´∀`)


椿:タメなんだっ!えっ、ごめんなさいっ、あ、ごめんっ。


美里:未央にも椿にも間違われてるし(笑)


佐藤:なんでだろ~。

椿:悪い意味でなくてっ、むしろ逆!


佐藤:ならいいや~(´∀`)椿ちゃんまたね~♪


美里:あははっまたね!


椿:ありがとうっ、また明日!



椿は手を振り続け、しばらく2人を見つめてから家に入った。



美里:拓、今日はありがとね。


佐藤:全然。


美里:いつからいたの?


佐藤:ん~、最初から。


美里:・・・そっか・・・愚問だけど、何で助けてくれたの・・・。


佐藤:ほんと愚問~。美里ちゃんは嫌かもしれないけど~、美里ちゃんの為。とその友達の、椿ちゃんの為。それ以外ないよ。俺、特に美里ちゃんに対しては、感情入っちゃうから、あんなの許せないでしょ。脅しでも何でもないよ、マジだよ。


佐藤が真剣な顔をして話していた。美里はこの佐藤の顔を見るのはサッカー以来2度目だった。


美里:・・・法律関係ねーとか言ってたよ?(^^;)


佐藤:あれもマジだよ。


美里:・・・・。



2人は話ながら歩いていると、美里宅に着いた。



美里:うち、ここ。


佐藤:ここか~(´∀`)♪あっという間に着いちゃったな~椿ちゃん宅とそんな離れてないんだね~。



佐藤はさっきの表情とは逆に、いつものヘラっとした感じに戻っていた。



美里:拓、今日はほんとにありがとね。


佐藤:うん。


美里:あと、さっき嫌かもしれないって言ってたけど・・・。


佐藤:?あぁ、美里ちゃん、余計な事するなって思うかな~と思ってさ~、女子同士なら見守ったかもだけど、男いたしさ~・・・。


美里:解ってるっ。



美里が佐藤を遮るように言った。



美里:解ってる・・・それに・・・すごい嬉しかったし・・・。


佐藤:かったし?惚れ直した~?


美里:惚れ直してはないけど・・・。


佐藤:ちぇ~・・・。


美里:直してないけどっ!ていうか、惚れてなかったから!



佐藤はキョトンとした表情になった。



美里:そ・・・ありがとっ、また明日!



美里は捨て台詞のように言い放つと、家に入って行った。



残された佐藤は、しばらくそこへたたずんでから、歩き始めた。



佐藤:惚れてなかった・・・・なかった・・・過去形?

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