第44話:バイト
男子が苦手だった蓮花はクラスメイトの瀬野と付き合うことになり、父親とも和解しつつあった。そんな中、田中の友人、佐藤が美里の事を好きになり・・・続きは本編でどうぞ・・・
デートから数日が過ぎ、美里は佐藤の事が気になりつつ、普通の学校生活を送っていた。
教室の廊下側の席に座っている美里は、ふと4組の方を見ると、佐藤が女子と会話をしていた。
美里:(あいつ、今まで気にもしなかったけど、結構女子と話してるよなぁ・・・てか、男女問わず・・・か。親しみ易いんだなー・・・)
すると、美里に気付いた佐藤が笑顔で手を振った。
美里:・・・あはは・・・陽気なやつ・・・。
美里も呆れた風な顔で、手を振り返した。
その様子に気付いた蓮花が、すかさず美里に聞いた。
蓮花:ねー美里、佐藤くんと付き合いだしたの?
美里:まさか・・・(´∀`)・・・真剣に考えてくれとは言われたけど・・・。
蓮花:本当!?やっぱり佐藤くん本気だったんだ。
美里:んー・・・よく解らん(´∀`)。
蓮花:今までの美里のタイプとは違うよね。
美里:明らかに・・・ね。待つんだってさ~。
蓮花:やだ本気っ・・・けど、美里断らない所見ると、嫌ではないんだね・・。
美里:だよね~あたしもビックリ。てゆっかいつの間にか、あいつのペースになってる感じがするっ!`´やだ、催眠術!?
蓮花:違うと思うよ?
目を細めて、蓮花はすぐに突っ込んだ。
美里:いいの!あたしの事は!
蓮花:はいはぁ~い、けど何かあった時は言ってくださぁい。
美里:ありがとっ。
美里は笑いながら言った。
美里:今日もバイトがんばろ~!っとっ。
両手を上に上げながら美里は叫んだ。
蓮花:ねぇ、美里、あたしもさバイト始めようかと思って。
美里:何のバイト?
蓮花:ファミレス。昨日面接行ったらOKです☆って。
2人が話をしていると、瀬野が教室へ入ってきた。それと同時に、女子と話をしていた佐藤が窓側の美里の傍へ歩いてきた。
美里:あ~瀬野。
佐藤:美里ちゃんお久ぁ~☆
美里が廊下側を振り向くと、佐藤が肘を突いて顔を出していた。
瀬野:何の用だ佐藤っ。
佐藤:相変わらず瀬野も俺に冷たいよなぁ~´`。
美里:瀬野、蓮花バイトするんだ。
瀬野:あ~らしいなぁ~っ、ったく心配事が増えるっつぅの。
蓮花:はぁ~?自分だって先週から始めたじゃんかー。
瀬野:俺はいいのー。
佐藤:瀬野って蓮花ちゃんの事になると余裕ないよねぇ~。
瀬野:!!お前のそういう所がイライラすんだよっ!
佐藤:え~?図星だからぁ~?
瀬野:なっ・・・。
美里:ま~まぁ~2人とも落ち着いてー(ーー;)
瀬野:だってお前ファミレスっていっぱい男くんだぞ?どうすんだよっ。
蓮花:ど~もしないし・・・客だし。
瀬野:そういう意味もあるが、そういう意味でなくてっ!!!
佐藤:え~?何何ぃ?他のカッコイイ男子に蓮花ちゃん奪われないか心配なの~?瀬野って蓮花ちゃんの事ちゃんと見てないと思うー。
瀬野:!!見てるよっ。
美里:え~?そうかなぁ~?見てないと思うー。
美里は佐藤の口調を真似て言った。
瀬野:お前ら・・・わざとかっ。
美里:いるよねぇ、自分の彼女になった途端に籠の中に入れたがるタイプ~。
佐藤:いるいる~、まさか瀬野もそういうタイプだったとはねぇ~。
瀬野:!!!!そうじゃねぇよっ!
蓮花:え~そうだったのぉ~?
蓮花も佐藤と美里の口調真似をして言った。
瀬野:・・・・。
瀬野が少しいじけた様子なのを悟った蓮花は・・・
蓮花:その籠、嫌じゃないけどね。
瀬野:!!!
瀬野は顔を赤くして蓮花を見た。
蓮花:でもバイトはするしっ!
瀬野:・・・・はい・・ですよね・・・。
佐藤:何だかんだで仲いいね~´`。
美里:(コントか・・・(ーー;))・・・うん。
佐藤:美里ちゃんてバイト何時までなの~?
美里:いつも大体8時までだよ?今日は9時までかな。
佐藤:そうかぁ~じゃぁ、今日部活早く終わったら行くよ~。
美里:え?本当に?でも喫茶店だから部活帰りに・・微妙じゃない?
佐藤:全然。美里ちゃんに会えればそれでいいから~(^^♪
美里:・・・・あっそ。
佐藤:またまたつれないなぁ~、あ、次の授業始まっちゃうから俺教室戻るね~(^^♪
美里:はいはぁい。
佐藤は手を振りながらその場を後にした。
蓮花:佐藤くんて・・・頑張るね。
美里:本当だよねぇ~今まで大人男子にしか興味なかったから、戸惑うよねぇ~。軽いイメージがどうも取れないし・・・。
瀬野:佐藤は結構深いと思うぞ。
美里:深い?
瀬野:あぁ。あいついい奴だと思うぞ。
美里と蓮花は、会う度に佐藤と口喧嘩をしている瀬野の発言をキョトンと聞いていた。