第41話:意外な佐藤
男子が苦手だった蓮花はクラスメイトの瀬野と付き合うことになり、父親とも和解しつつあった。そんな中、田中の友人、佐藤が美里の事を好きになり・・・続きは本編でどうぞ・・・
11月の土曜日に4組の佐藤と美里は約束通り待ち合わせをしていた。
美里は、約束の10時より少し早く待ち合わせ場所に来ていた。
11月も半ばになり、外はすっかり冬モードに入りつつあった。
美里がぼんやり待っていると、佐藤が小走りでやってきた。
佐藤:美里ちゃん早い!
美里:うん、佐藤も以外に早い。超ルーズかと思ってた(笑)
佐藤:いきなり辛口~(笑)、俺結構テキパキしてるのに~。
美里:多分、話し方だねー語尾伸ばす感じがっ。
佐藤:あ~、これかー…治るかなぁ…。
美里:治さなくていいよっ。
佐藤:美里ちゃんが治さなくていいってーなら治さな~い♪
美里:・・・あっそ。
佐藤:つれないなぁ~ていうか、今日貰った映画のチケさ、ホラーなんだよね~(´∀`)
美里:っえー!この前、蓮花が観て超怖かったっつってたアレー!?あたしホラー苦手ー!`´。
佐藤:なぁんだ苦手か~ならー…水族館とか行くー?(´∀`)
美里:映画のチケ無駄んなっちゃうよ?
佐藤:別にいいよ、美里ちゃんと水族館行けるなら(´∀`)♪決まりね♪
美里:・・・いや!`´!
佐藤:?
美里:ホラー観る!
佐藤:え´`?無理は・・・
美里:無理じゃないっ、行く!の変わり・・・途中で叫んだらごめんなさい・・・。
佐藤:何それ~(´∀`)叫んでも全然いいよ、俺は~。義理堅いな~美里ちゃんは~、じゃ、ホラー行くけど、途中で無理な時は言ってね♪
美里:はい・・・。
美里は約束をした以上はそれを守る・・・という義理堅い性格なので、映画だったが、そんな些細な約束さえも美里にとっては約束は約束だった。
2人は映画館に入り、後ろの座席に座った。
美里:緊張する~。
佐藤:あはは、美里ちゃん、出たい時はすぐ言うんだよ~。映画の約束したけど、そこにはこだわってないから~(´∀`)
美里:うん!
映画が始まってすぐ、辺りは静かになり、美里はガチガチになり座っていた。
その様子を佐藤は横から眺め、クスクス笑っていた。
映画が始まってから40分程経過した時・・・映画のスクリーンに急におどろおどろしい映像が映りこんだと思ったら・・・
美里:っギャー!!!
美里の悲鳴は映画館に結構な具合で響き、佐藤は映画より美里の悲鳴に驚いた。
佐藤:くっ・・(笑)美里ちゃん・・・くくくっ、出ようか・・・。
美里は映画館が暗かったために解らなかったが、顔を真っ赤にして、これ以上は観れないと思った。佐藤と美里は映画館の外に出ると・・・
美里:!!ごめん!!(T_T)
佐藤:アハハハハ!!!(大爆笑)全然っいいけど!!!まじか~!?
美里:・・・だって!!
佐藤:あ~、お腹痛ぁい!あーごめんごめん、美里ちゃんしっかりしてるイメージしかないからさぁ、意外中の意外だったよ。大丈夫?
美里:大丈夫です・・・ていうか!そんなに笑わないで!!
佐藤:ごめん!時間中途半端だけど何か食べる?
美里:食べる・・・。
2人は喫茶店に入り、昼食をとる事にした。
美里:あ~、やっぱ無理だったわ。
佐藤:だから言ったのにぃ~、けど美里ちゃん約束守ってくれたんだよね~気持ちはちゃんと伝わってるからいいよ~。
美里:約束は約束だけど、途中で放棄しちゃったけどね・・・また別の映画今度観に来よう。
佐藤:え?いいの~!?ラッキ~!
美里:・・・何であたしとそんな映画みたいの?
佐藤:え~、美里ちゃん好きだし~。
美里:あっそ。
佐藤:またまたつれないなぁ・・・美里ちゃんさぁ、何にも考えてないフリしてさぁ、いっつも周りの事考えてんじゃん?で、タイミングもいいし、空気も読むでしょ~?過干渉じゃないし、頭いいよねぇ。俺そういう人に初めて出会ったんだよねぇ~。
美里:・・・・そう。
佐藤:俺さぁ、優しさの押し売りとか、正義感の押し売りとか苦手で~、あ、けど正義感もや優しさも持ってないよりは持ってる方が好きなんだけどねぇ~。美里ちゃんは本当にストライクなんだよねぇ。蓮花ちゃんとも田中とも瀬野とも、いい感じだもんねぇ~。
美里:そう・・・・・・・意外ね・・・。
佐藤:?何が~?
美里:・・・・あたしもそういうの苦手・・・。
美里は価値観が自分と似ているのに少し驚いていた。チャラチャラした奴だな・・・という印象しか持っていなかったが、佐藤に対する印象が少し変わった。