第39話:スケボー
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
次の日-
PM12:00
祖母(咲):あら、蓮花おはよ。随分遅かったわね、起きるの。
蓮花:おはよ・・・。
祖父(健三):昨日は良く眠れたか・・・?
蓮花:あんまり眠れなくて・・・寝付いたのが夜中3時くらい・・・。
祖母(咲):あらあら、ご飯食べるでしょ?
蓮花:うん、ありがとう・・・。
『♪♪♪~』
祖母(咲):蓮花、携帯なってる!
蓮花:・・・本当だ・・・。
蓮花は誰からかも確認しないまま、ぼんやりしながら電話に出た。
蓮花:はいはい蓮花・・・。
瀬野:俺だよ。
蓮花:瀬野・・・あ、おはよう・・・。
祖父(健三)と祖母(咲)は、瀬野からの電話だと解ると何だかホッとした。
蓮花:うん・・・・・・わかった。
数分瀬野と話をした蓮花は電話を切ると・・・
蓮花:ちょっと出かけて来るね。
祖母(咲):その格好で行くの?デートって感じじゃないわよ。
蓮花は、膝上くらいまである大きめのグレーのパーカに、下はブルーデニムのスキニーを着ていた。
蓮花:こんなラフな格好で来いって言うから・・・。
祖母(咲):あらそう・・ならいいけど、気を付けて行ってらっしゃいね。
祖父(健三):遅くなりそうな時は電話しろな。
蓮花:うん、行って来ます。
蓮花は、瀬野に言われた通りスニーカーを履いて出かけた。
北公園前-
瀬野:よっす!時間より少し早ぇぇな!
蓮花:・・・・スケボー・・・できるの?瀬野・・・。
瀬野はスケートボードを2台手に持っていた。
瀬野:趣味。蓮花した事ある?
蓮花:ない!・・・けど、興味すごいある!
瀬野:そりゃ~良かった!俺結構上級者!(^^♪
蓮花:本当~?すごい!教えてくれんの?
瀬野:勿論!ここの公園、スケボー用のコーナーあるから結構よく来るんだよ。
蓮花:へぇ~!滑ってみて!!
瀬野:よし!!
そう言うと、瀬野は持って来たスケボーで軽快に滑り出し、しばらくして蓮花の前にかえってきた。
蓮花:・・・かっこぃー・・・。
瀬野:!!!そ・・・そうか!?
瀬野は顔を少し赤くしながら言った。
蓮花:あたしできるかなぁ?
瀬野:できるよっ、蓮花運動神経いいだろ?・・・けど、最初から今の技は早いからー・・・乗り方と降り方からな。その後、プッシュ!
蓮花:はい!!(^^ゞ
瀬野:まず~、足をテールに乗っけて・・・
2人は時間を忘れて、夕方まで遊んだ。
PM17:00ー
瀬野:おーもう5時!
蓮花:えーっせっかく滑れる様になったのにぃぃっ!
瀬野:アハハッ、いつでも教えるよ。また一緒来よ。
蓮花:・・・はぁい(*´Д`)あ、ちょっと、待ってて!
瀬野はベンチに座っていると、蓮花がジュースを買って走ってきた。
瀬野:お~気が利くー!喉カラカラー!
蓮花:はい!
瀬野:サンキュ!
蓮花は瀬野の左横に座った。
蓮花:瀬野、今日ありがとね。
瀬野:いやー、丁度会いたかったし。
蓮花は瀬野の左手を取って、手を繋いだ。
瀬野:・・・・。
瀬野は、またその手を自分の方へ引っ張って、握りなおした。
蓮花:昨日さ、久しぶりに父親見たらさ、弱々しくってさ・・・色々言ってやるって最初思ってたんだけど、言えなかった。てゆうか、言ったらダメだと思ってさ・・・。
瀬野は黙って聞いていた。
蓮花:何て伝えたらいいか解らなくて、自分は今幸せだってだけ伝えたよ・・・。
瀬野:・・・いんじゃねぇの、それが一番最善だろ。
蓮花:そうかな・・・。
瀬野:あぁ。
そう言いながら瀬野は頭をコツンと蓮花の頭にぶつけた。
蓮花:多分、こんだけ気持ちに余裕ができてんの瀬野のお陰・・・。
瀬野:俺?
蓮花:うん。あたし、瀬野に助けられっぱだしっ。ごめんなさいっ。
瀬野:いや、彼氏の特権だし!他に頼られたら嫌だしっ!
蓮花は瀬野を見ながら嬉しそうに笑った。
瀬野もそんな蓮花を見てすごく嬉しかった。
蓮花家ー
祖母(咲):ねぇ、出会うべき時に出会うものね・・・。
祖父(健三):あぁ・・・蓮花ら見てると、徹達を見てるみたいだな。
祖母(咲):そうねぇ、付き合い当初から、違和感無かったわね、多分恵さんお嫁さんに来るわって直感的に思ったわぁ。
祖父(健三):ハハハッ!