第37話:たまに好き
前書き 男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
瀬野:映画結構空いてるなぁ。お前何が観たいの?
蓮花:えっとね、コレ!!
蓮花が指したポスターを見た瀬野は・・・
瀬野:なぁ・・・お前田中とは何見たの?
蓮花:コレ。
瀬野:・・・・何で田中とはヒューマンで俺とはホラーなんだよっ!
蓮花:・・アハハもしかして苦手?
瀬野:いや・・そうでもねぇけど、初デートでホラー・・・・。
蓮花:だって恐い映画は一人じゃ観れないじゃん!何かの拍子に掴まれる人とじゃないと来れないでしょー・・・1人で映画よく来るけど、これは観たくても観れないんだもん。苦手だけど観たい・・・みたいな・・・ごめんて。
瀬野:・・・そういう理由だったらいいよ。行くぞっ。
蓮花:いいの?
瀬野:いいよっ。
蓮花:やったぁ~☆!(^^)!
2人はチケットを購入し、映画館内に入っていった。
瀬野:はい、手。
蓮花:えっ!
瀬野:途中で叫ばれても困るし、最初から握っといて。
蓮花:・・・はい・・・叫びませんから・・・。
そう言いながら蓮花は恥ずかしそうに瀬野の手を握ると、周りが暗くなり映画が始まった。
2時間後-
瀬野:(笑)お前さ、まじで苦手なんじゃんかっ!途中何度ビクッてなったよっ!
蓮花:だって油断してるとさぁ、急にビックリさす様な事になってるしさぁ~!(ーー;)ごめんなさい。
瀬野:いやぁ、映画よりお前が面白かったよ(笑)。
蓮花:やっぱ一人で来なくて正解(ーー;)・・・。
瀬野:あぁ(笑)。次、マック持ち帰って家行くぞ。
蓮花:いいの?行って。
瀬野:勿論!
蓮花:じゃぁ、お父さんのマックも買って行こうよ。
瀬野:アハハ、親父はゴルフ。サンキュー。
蓮花:そか・・。
2人はマックでお昼を買い、瀬野宅へ向かった。
瀬野宅-
瀬野:どうぞー。
蓮花:お邪魔します!何か改めて来ると緊張する・・・。
瀬野:3度目でか?
蓮花:そっかー3度目か。最初は待たされて~、その次は看病させられて~・・・。
瀬野:悪かったよ・・・俺は逆に嬉しかったけどなっ、最初は次の日お前と出かけるっつのに緊張して寝れなかったんだよっ。風邪はむしろ看病してくれてラッキーだったし!
蓮花:・・・そうだったんだ・・・。
瀬野:そうだよっ。なのにお前は・・・。
蓮花:!!なんか!本当にごめんなさい!最初、寄るなだとか色々言ってしまってっ!だってっ・・・。
瀬野:いいよ全然。もう伝わったし。これから色々返してもらうし。
蓮花:!何をっ!
瀬野:何だろなっ。
蓮花:・・・・どれだけ伝わったか解らないけれど・・瀬野には本当に感謝してて、あたしの壁を体当たりで壊してくれた事がどれだけ大きかったか・・・時間かかるかもだけど、ちゃんと返すよ!
瀬野:うっそ。
蓮花:?
瀬野:何も返さなくていいよ。最初から言ってるけど、傍に居てくれればそれでいい・・・あとはー・・・たまぁに好きって言ってくれりゃいいや。
蓮花:そんなんでいいの!?
瀬野:アハハ、いいよ~。
蓮花:・・・好き。
瀬野:!!たまにでいい!照れるから!
蓮花:うぅん~、本当に好き。
瀬野:・・・。
少し微笑みながら言っている蓮花に瀬野はキスをした。
2人はそのまま瀬野宅で話をしたり、ゲームをしたりしながら過ごした。時間はあっという間に過ぎていき・・・
PM5:00ー
瀬野:5時、そろそろ帰ったがいいか?
蓮花:そだね・・・早いなぁ時間過ぎるの・・・。
瀬野:・・・送るよ。
蓮花:いいよ大丈夫(b^-゜)
瀬野:嫌だ。俺が送りたいのー。
蓮花:・・・ありがと。
2人は、手を繋いで蓮花の家まで歩いた。
蓮花:今日はありがとね。
瀬野:何で?
蓮花:楽しかったから!
瀬野:お互い様だろー。
蓮花:アハハっそっか!
話しながら歩いていると、あっという間に蓮花の家に着いた。
蓮花:・・・あれ?
蓮花の家から男の人と女の人が出てきた。
瀬野:お客さん?
すると、男の人が2人に気付いて・・・
蓮花:何で、ここにいるの?
たたずんでいるのは、幼い頃の記憶しかない蓮花の父、徹と、後妻の涼子だった。