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人を好きになる理由  作者: はすみ
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第34話:O(ゼロ)ミリ

男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。


祖父(健三):お~!!瀬野くん久しぶり!!寒いから早く上がんなさい!


祖母(咲):あらぁ!上がって上がってぇ!良かったぁ~今日おでん作りすぎたかなって思ってたのよぉ~。


瀬野:・・・あの、おじゃまします。


祖母(咲):蓮花、瀬野くんのお箸持ってきて!・・あんた夕刊は?


蓮花:あ!忘れてたぁ!持ってくる!


祖母(咲):まぁまぁ今度はお箸忘れてるし・・・ごめんなさいねぇ、そそっかしいたらないわね・・。


瀬野:ハハっ・・いいえ。



瀬野は何だかホッと安心した。



蓮花:ごめぇんじぃちゃん!はい、夕刊っ。


祖父(健三):ハハありがとな。瀬野くんほら食べて。


瀬野:・・頂きます。


祖父(健三):あれから風邪は大丈夫か?


瀬野:ハハ、大丈夫です、ありがとうございました。


祖母(咲):いいのよぉ、蓮花でお役に立てるならぁ~。あの日蓮花から血相変えたように電話かかってきてねぇ、おじぃちゃん?


祖父(健三):そうだったそうだった。


瀬野:・・・・。


蓮花:ばぁちゃん!いいのそれは!!瀬野、玉子いる~?


瀬野:あぁ、いる。


蓮花:瀬野おでん好きだった?


瀬野:あぁ、おでんも好きだよ。


蓮花:ジャンクフードとおでん。


瀬野:ちがーう。


蓮花:?



祖母は2人のやり取りを見ながらクスクス笑っていた。



祖母(咲):1日で熱下がって良かったわね。


瀬野:本当にありがとうございました。


祖父(健三):熱出したらいつでも連絡くれれば蓮花を看病にやるよ。


蓮花:おじぃちゃん!!


瀬野:宜しくお願いします(笑)。


蓮花:!!



3人はわいわい話ながらおでんを食べた。




PM22:00-




祖母(咲):時間が経つのって早いわねぇ、もう10時よ。


瀬尾:俺、そろそろ帰ります。


祖父(健三):そうだな、またいつでも来なさい!


瀬野:はい!ご馳走様でした!


祖母(咲):蓮花ぁ、食器後でいいから瀬野くんその辺まで送ってきなさい。


瀬野:あ!大丈夫ですよ!


蓮花:うぅん、そこまで行くよ!瀬野、これマフラー!


瀬野:サンキュ、それじゃぁまた。


祖父(健三)、祖母(咲):またね、気をつけて帰りなさいね。



瀬野と蓮花は家を出て、戸口まで蓮花は瀬野と歩いた。



瀬野:今日サンキュな。


蓮花:ううん、大丈夫?


瀬野:・・あぁ・・・。



瀬野はしばらく蓮花を見て・・・



蓮花:?


瀬野:お前・・今日、田中と映画行ったんだろ?


蓮花:え?何で知ってるの?


瀬野:田中から聞いた。


蓮花:田中くんから?・・・うん、行ったけど・・・。


瀬野:・・・そっかー・・・。



しばらく2人は沈黙が続いた。すると蓮花が・・・



蓮花:あの・・・・少し話していい?


瀬野:あぁ。


蓮花:・・・あたし・・・瀬野との距離の取り方が良く解んなってきてて・・・。


瀬野:距離?



蓮花は頷いた。



瀬野:・・・大分距離置いときたいって事だろ?


蓮花:・・・・・・ううん、逆。


瀬野:逆!!??


蓮花:・・・・・。


瀬野:・・・えっ!!!!・・・けど最近距離大分保ってたろ??



瀬野は何を言われているのか、驚いて整理がつかなかった。



瀬野:・・・・・じゃぁ・・・例えば、センチにしたら何センチくらい距離とっときたいんだ・・・?



蓮花は少し考えた。



蓮花:・・・5センチくらい?


瀬野:・・・5センチ・・・?5メートルじゃなくて?


蓮花:・・・5センチくらい・・・けどそれってもう彼女の距離・・・。

あたし瀬野の近くにいると、どんどん瀬野の事好きんなるから距離をちゃんと保とうと思って・・・言うのも迷ったんだけど、瀬野ならちゃんと受け止めてくれるかなって思って思い切って言うけどっ、あたし瀬野が好き!

けど大丈夫だから!距離はちゃんと保つよ!だから、最近どんな風に瀬野と距離を取ればいいか解んなかったんだけど、嫌いにだけはならないで欲しいの!あたし頑張るから!



瀬野は蓮花が一生懸命何を言っているのかすごく良く解った。



瀬野:・・・俺にも聞いて。


蓮花:?


瀬野:お前と距離何センチ保っときてぇか聞いて。


蓮花:・・・正直に答えてね・・・。


瀬野:あぁ。



蓮花は聞くのが怖かったが、思い切って聞いた。



蓮花:・・・何センチ?・・・。



蓮花が聞き返したその瞬間、瀬野は蓮花にキスをして抱きしめた。



蓮花:!!



瀬野は蓮花の耳元で答えた。



瀬野:0(ゼロ)ミリ!


蓮花:0(ゼロ)・・・。


瀬野:何が嫌いにならないで!だよ!


蓮花:・・・だって・・・瀬野・・好きな子・・。


瀬野:お前だ!!鈍感っ。



瀬野が蓮花を見ると、線が切れたかの様にその場で泣きだした。



瀬野:泣くなよ・・・俺は嬉しくて泣きそうだ!!



その瞬間蓮花は瀬野に抱きついた。


瀬野:!!


蓮花:あたしも0(ゼロ)ミリぃ~・・うぅっ。



瀬野は満面の笑で笑った。



瀬野:さっき5センチって言ったろ・・。


蓮花:・・・遠慮してみたー・・・ううっ。


瀬野:アハハっ、おい!お前今日何で田中と映画行ったんだよ!!俺今からお前の彼氏だから聞く権利あるぞ!


蓮花:ううっ・・・田中くんにしばらく前に・・告白されて・・・。


瀬野:お~だったなぁ。


蓮花:・・・知ってたの!?


瀬野:お前追っかけていったら偶然聞こえたんだよっ。


蓮花:やだ、覗きぃ?趣味悪ー・・。


瀬野:何だよっ覗きって!それで!?


蓮花:瀬野の事好きだからって伝えたら、最初で最後だから映画に行きたいって・・・・。


瀬野:・・・・・そっか・・・(だからあいつ俺に・・わざとか・・・)。


蓮花:本当は瀬野と行きたかったけど、・・・好きな子他にいるし・・と思ってたし・・・。



瀬野は言葉にできないほどの嬉しさで、もう一度蓮花を抱きしめた。



瀬野:俺、今日今までの人生で最悪の日と思ってたけど、人生最高の日!蓮花、もう一回聞かせて・・・俺の事?


蓮花:・・・大好き。


瀬野:俺も大好き!お前、鼻水出てるぞ(笑)。


蓮花:うそー…寒いし恥ずかしいー…。


瀬野:可愛い。もっかいチュウしてい?


蓮花:鼻水でてるからやだ…。


瀬野:アハハっ。

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