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人を好きになる理由  作者: はすみ
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第29話:意外な宿泊

男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。

蓮花:うわ、具合悪そう・・・迷惑かとも思ったんだけど、無いよりはましだろうと思って、色々買ってきたの・・・カップ麺とか言ってたし。


瀬野:・・・サンキュ・・・。


蓮花:まず、熱計って。


瀬野:はい・・・。



瀬野は部屋へ行き、ベッドに横になりながら熱を計った。



『PPP!!』



蓮花:39.2度!?ねぇ、薬飲んだの?


瀬野:・・・飲んでない・・・。



蓮花は瀬野のパーカーを触ると汗びっしょりで、布団もかぶらず、アイス枕も勿論していない。



蓮花:・・・ひとまず着替えようか、瀬野、タンスやらキッチンやらちょっと借りるよ!


瀬野:あぁ・・・すまん。


蓮花は何枚かのシャツを取りだし、瀬野に着替えをさせ窓を開けて喚起をした。そして冷蔵庫へ行き、アイス枕を探して瀬野の所へ持っていった。



瀬野:・・・悪ぃ。


蓮花:全然。



蓮花は祖母へ電話を掛け、事情を説明した。



祖母(咲):そう・・・そしたら具合良くなるまでついてなさいな。瀬野くんのお父さんに1本電話入れて許可だけとっときなさいよ。どうせ明日日曜だし、おじぃちゃんには私から話しておくから。何か困った事が起きたら夜中でもいいから電話してきなさい。


蓮花:うん・・・わかった。本人にも聞いてからまた電話するね。



そうして蓮花は電話を切り、瀬野の部屋へ行った。

蓮花:瀬野?


瀬野:ん~?


蓮花:瀬野さえ良けりゃなんだけど、あたし今日居ようか?


瀬野:!!え!?


蓮花:具合かなりひどいみたいだし、ばぁちゃん電話したらそうした方がいいかもって。言ってる場合じゃないかもって感じだけど、うちお節介家族でさ。


瀬野:・・・居てくれんの・・・?


蓮花:居ていいなら・・・看病させていただくけど・・。


瀬野:・・・居てくれんなら、すげー嬉しい・・・けど・・・俺格好悪・・・。


蓮花:あ~・・格好良いと思った事ないから安心して。


瀬野:・・・居てくれんなら、なんでもいいや・・。



瀬野はなんだか安心した。



蓮花:瀬野さ、お父さんに電話掛けてよ。事情だけ説明させて。


瀬野は父に電話を掛け、事情を話した後、蓮花に代わった。



瀬野(父):ごめんね、蓮花ちゃん。親戚近くにいたら頼むんだけど、みんな遠くて・・・あいつの母親とも・・・。


蓮花:あ!!大丈夫です!それは気にしないでください!


瀬野(父):そうか、ありがとう。そしたら颯真宜しく頼む。


蓮花:はい、それじゃぁ。


蓮花は祖母にまだ折り返し電話をし、成り行きを説明した。



祖母(咲):そう。おじぃちゃんがね、困った事あったらすぐに電話しなさいって。


蓮花:うん。ありがとう。それじゃぁね。



蓮花は電話を切った。


蓮花:瀬野あんま食欲ないでしょ?おかゆとかもNG?


瀬野:あー食いたくねぇ。


蓮花:そか。じゃぁリンゴすりおろしてくるよ。それ食べてから薬飲も。



そう言うと蓮花はキッチンへ行き、リンゴをすりおろして瀬野の所へ持って行った。



蓮花:瀬野起きれる?起きれなかったら食べさすよ?


瀬野:!!・・・それはいい・・自分で食う。


蓮花:そか。お水ここに置いとくよー。あたし向こうの部屋行っとくね。



瀬野はリンゴを食べてから、薬を飲んで横になっていると、いつの間にか寝入っていた。蓮花はしばらくしてから、食器を下げに瀬野の部屋へ行った。



蓮花:(よく寝てる・・・)



PM10:00-



瀬野:・・・あれ???今・・・10時・・・夢・・・?



瀬野は目が覚めたので、部屋を出て、細い廊下を歩いてリビングへ行くと、ソファに蓮花が居た。



瀬野:・・・夢じゃない・・・。



瀬野は普段も風邪の時も家に1人で居る事が多く、ソファに居る蓮花を見てすごく安心した。



蓮花:・・ん?・・・あ、起きたんだ。



そういうと蓮花は起き上がり、瀬野のおでこに手を当てた。



瀬野:・・・・。


蓮花:少しは下がったかなぁ・・。


瀬野:あぁ・・・ちょっとは楽んなってる・・・。


蓮花:そうか。熱計ってみよっかまた。お腹すいてない?プリンとか果物あるよ?


瀬野:・・・。


その時、瀬野は蓮花を思わず自分の方へ抱き寄せた。



蓮花:・・・瀬野?


瀬野:サンキューなぁ。


蓮花:・・・ううん・・・・メロン、いる?



瀬野:あぁ、いる・・・(熱のせいで理性が全く働かん・・・)。


蓮花:(・・・・・何・・・・)


瀬野:風邪うつるな…悪ぃ。



そう言いながら蓮花をそっと離した。



蓮花:・・・。


瀬野:メロン食いたい。



瀬野は可愛らしい笑顔で蓮花を見ながら言った。



蓮花:!!今、切る!



蓮花は突然の瀬野の行動に一瞬止まってしまい、瀬野の笑顔を見て、胸の奥がキュッと締め付けられる様な感じがした。



蓮花:(あたし・・・拒否れなかった・・・・違う・・拒否らなかったんだ・・・)

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