第28話:風邪
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
佐藤:美里ちゃぁん!蓮花ちゃぁん!明日応援宜しくねぇ!
美里:はいはぁい!ていうか勝算あんの?
佐藤:当たり前じゃぁん!
田中:練習試合なのに緊張してくんな・・・。
蓮花:え~?本当?頑張ってね!
田中:おぉ!また明日な!
美里、蓮花:また明日ぁ~!
そこに瀬野が入ってきた。
瀬野:また明日って何だよ。
美里:サッカーの応援頼まれたから明日行くの。あたしと蓮花。
瀬野:頼まれたぁ?お前らはあれか!!頼まれればどこにでも行くのかよ!!
美里:だってねぇ、彼氏いる訳じゃないし、自由よねぇ蓮花ぁ!
瀬野:!!
蓮花:・・・うん、ていうか瀬野、風邪?
瀬野:あぁ、多分。
美里:あ!!あたしお昼のパン頼んでくるね!今日楓当番だ!
蓮花:うん。
美里は慌てて楓の所に行った。
瀬野:お前も明日行くんだろ・・・?
蓮花:うん。行くけど、佐藤くんが美里に来て欲しそうだった(笑)。
瀬野:田中も来るんだろー?
蓮花:そりゃサッカー部だもん。瀬野も来たいの?
瀬野:行くか!!
蓮花:ハハハ・・風邪大丈夫?
瀬野:あ~そのうち治るよ・・・多分。
翌日―
サッカー練習試合:南校VS北校 12:00
佐藤:あ~美里ちゃぁ~ん!
佐藤はグラウンド中央から手を振っていた。
美里:・・・・本当元気な奴だな・・・あ!試合始った!
美里:佐藤ってさぁ、ヘラヘラしてるけど試合中すごい真剣。意外ー。田中も一見穏やか青年だけど攻めるねぇ!
その時、佐藤のパスで田中がゴールを決めた。
美里、蓮花:お!!すごい!
美里:何だ本当に強いじゃん。
蓮花:どんなんだと思ってたのよ。うちのサッカー部結構強いでしょ?田中くんサッカーで引っ張られてたし、佐藤くんもじゃないのかな。かなり上手いよね。
美里:そうなのぉ?知らなかったぁ。
試合は南、北共に譲らず接戦のまま、ハーフタイムのホイッスルが鳴った。
佐藤:美里ちゃぁん!俺のパス見てくれてたぁ?
美里:見てたぁ!全然普段と違ってビックリぃ。
佐藤:惚れ直したかなぁ。
美里:直すっていうか、惚れてないからその前に(--〆)。
佐藤:辛口だなぁ美里ちゃん。蓮花ちゃんも見てたぁ?
蓮花:・・・うん見てた・・・勝ちそうだね・・・。
田中:勝つよ!サッカーは譲らねぇからなぁ。
蓮花:だっただった!頑張って!
田中:おう!
そして瀬野宅―
瀬野は病院から帰宅した。
瀬野:あーしんどい・・・何で熱出んだよ・・・。
昨日の夜から発熱し、朝から病院行きで点滴をして帰って来た。
瀬野:(今頃サッカー応援中かぁ・・・くそっ・・・しんどいはイライラするわ・・・最悪だな・・・)あ゛~!!・・・頭痛て・・・。
南校グラウンド―
ハーフタイムも終わり、試合は後半戦へ突入していた。
美里:お~2-1!佐藤がゴールした!
蓮花:よくあんな人抜けれるね!本当に上手・・・。
美里:あ!また入れた!今度は3年かぁ。考えてみたらあの2人1年からレギュラーってすごいよね・・・。
蓮花:そうだねぇ。
後半からは北校の追い上げムードで、3-1で北校勝利で試合終了した。
田中:応援サンキューなぁ!
美里:おめでとう!いやぁ、見直しちゃったぁ!
田中:見損なってたのかよ・・・。
美里:いやぁ、攻撃のイメージ全く無かったからさぁ(笑)。
蓮花:田中くん中学ん時から凄いよね。
田中:!!ハハっサンキュ!
佐藤:美里ちゃん俺はぁ?
美里:見直したよ!
佐藤:え~見損なってたのぉ?
美里:うん。
佐藤:ひでぇなぁ・・・。
田中、蓮花:アハハ。
美里:うちらさ、電車の時間あるから、先に帰るよ。
田中:俺らまだ色々あるし、今日は本当にサンキュ!
佐藤:また来てよねぇ!
美里:解った来るよ!じゃね!
蓮花:またねー。
美里、蓮花は電車で帰り、北駅で別れた。
蓮花:じゃね、美里!
美里:うんまた明後日~!気をつけて帰ってね!
蓮花:はぁい!美里もねぇ!
蓮花は美里と別れて歩いて家に向かっていたら、携帯が鳴った『♪♪♪♪♪~』。
蓮花:(あれ・・瀬野だ。)はいはい?
瀬野:・・・。
蓮花:もしもぉし!
瀬野:・・・サッカー終わったか?
蓮花:あぁ、今美里と別れて帰ってる所だよ?てゆか大丈夫?すごいきつそうだよ。
瀬野:あー少し熱あるだけだよ。
蓮花:お父さんは?
瀬野:いや、出張・・・。
蓮花:・・・病院は?
瀬野:・・今朝行った・・・。
蓮花:・・・何か食べたの?
瀬野:あ~昼頃カップ麺食ったよ・・・。
蓮花:カップ・・・そっか・・・。
瀬野:・・特に用事っつー用事じゃなかったんだ・・・またな。
蓮花:うん。
蓮花は電話を切った。
瀬野:・・・・(そか、帰ってんのか・・・)。
しばらく瀬野が寝込んでいると、家のインターフォンが鳴った。
瀬野:・・・誰だよ・・・。
ピンポン×3『♪♪♪~』
瀬野:あ゛ー・・・もう・・。ハイ・・・。
瀬野がドアを開けると・・・
瀬野:!!なんで!!??
蓮花:熱何度よ?
瀬野:・・・38度くらい・・。
蓮花:あの、上がってい?
瀬野:・・・あぁ・・どうぞ・・・。