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人を好きになる理由  作者: はすみ
コンプレックス
25/49

第25話:遅刻

男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。


美里:お~帰ってきた~♪具合はどう?


蓮花:ごめんごめん。もう全然大丈夫!クレープもキャンディも貰ったし!(笑)。


美里:良かったぁ。


瀬野:もう片づけだろ?


美里:そだよ!



その時美里の携帯が鳴った。『♪♪♪♪~』



美里:はい美里―・・・・・はい・・・えぇぇっ!・・・はぁ・・・解りました。明日持って行きます。はぁい。


瀬野:?どした?


美里:何かね、メイド服、別の客が欲しいって言ってるから明日までに持って来てくれないかって。あたし明日バイトだよ・・・。


瀬野:お前・・・またお得意のバイトか・・・!


美里:言うと思った・・・だって・・・。


蓮花:あたし持って行こうか?


美里:・・・いいの?


瀬野:!!いいや、俺が行く!!だから蓮花付き合え!


蓮花:いや・・・よくよく考えたら別にあたしが行けば何の問題もないなって思ってさ・・・そんな服返すくらいで・・・大丈夫だよ?


瀬野:俺が一緒だと嫌か?


蓮花:ううん。だってせっかくの土曜日だから、あたし何の予定もないし、瀬野の方をむしろ気使ってるんだけど?


瀬野:俺!?


蓮花:暇なあたしが行けばいくない?


瀬野:俺も暇だよ!!


蓮花:そっか(笑)。じゃぁ、付き合うよ。


美里:(瀬野よ・・・感謝しろよ美里様に・・・)蓮花、サンキュ。


蓮花:いいよー別に。


瀬野:美里バイト頑張れよぉ♪


美里:はいよー(-_-)。



3組は文化祭の片づけを始めた。



楓:なんか大変だったけど超楽しかったねぇ。


高橋:だなぁ(^◇^)!またやりてぇなぁ!


瀬野:俺はもう勘弁・・・(-_-;)・・・。



片づけをしていると、瀬野が女子から呼ばれた。教室の戸口の方へ近づいていくと、そのまま瀬野は女子と歩いて行った。



高橋:チクショー!また告白かな!あいつだけ何であんなモテるんだよ!!


蓮花:瀬野どんなスパンで女子から告られてるのかな。


楓:文化祭のボーイ姿が効いてるんじゃないのかなぁ。女子の反応すごかったみたいよ~。


美里:ふぅん。すごいねぇ。


蓮花:(やっぱモテるんだなぁ・・・瀬野って・・・)



そんな話をしていると瀬野が帰ってきた。



高橋、美里、蓮花、楓:早!!!


瀬野:何だよ!!


高橋:お前呼ばれる度に早ぇぇよなぁ、帰ってくんの。告白だったんだろ~?


瀬野:あぁそうだよっ!うるせっ。


美里:いつも即答で返してるの?


瀬野:あぁ、そうだよっ。もういいかっ。


楓:お~ぉ、即答かぁ。


瀬野:あぁ・・・どんだけ言われても響かんもんは響かん。


高橋:贅沢だなぁ・・・お前。


瀬野:どこがだよっ!!はよ片づけろ!!



瀬野は高橋をまた軽く殴った。



高橋:いてぇ!<(`^´)>最近お前俺に八つ当たりしてねぇか!?


瀬野:してるよっ!


高橋:認めるのかよっ!<(`^´)>


美里:アホらし・・・とっとと片づけよ。


楓:そだね・・・。


蓮花:・・・(やっぱ好きな子いるのかな・・・)。



文化祭の後片付けも終わり、下校時間になった。



美里:蓮花!明日頼むね!


蓮花:うん。


瀬野:おい、明日北公園の前集合でいいか?


蓮花:いいよ。11時くらいで大丈夫?


瀬野:おぉ!北公園前に11時な!!



そして翌日―



蓮花は北公園の前のベンチで瀬野を待っていた。蓮花の洋服は、ミルクティーベージュでVネックのドルマンニットワンピに、ダークブラウンのナウシカブーツ。とても良く似合っていた。



瀬野を待つ事20分・・・



蓮花:(瀬野の携帯聞いとくんだったなぁ・・・美里に聞くか・・・バイト中電話でれるかな・・・)



瀬野を待つ事40分・・・



蓮花:(あいつすっぽかすタイプじゃないし、もしかして事故とか・・・不安なってきた・・・)



瀬野を待つ事1時間・・・



蓮花は美里に電話した。



美里:はいはい美里―


蓮花:今大丈夫?美里。


美里:うん、少しなら!どした?


蓮花:瀬野さ!来ないの待ち合わせに!あいつさ、ブッチする様な性格じゃないし、もしかして事故とかかと思って美里、瀬野の携帯知らない!?


美里:あいつ遅刻してんの?え~!!大丈夫、事故じゃないって!寝坊かなんかじゃないの?(ったくあいつ何やってんだかっ)携帯言うよ!090―××××―××××!また何かあったら電話して!


蓮花:ありがと!



そう言うと電話を切り、蓮花は瀬野に電話を掛けたが、電話に出なかった。蓮花は1人でどんどん不安になっていった。すると、遠くから蓮花を呼ぶ声が聞こえた。蓮花が声の方を振り向くと・・・



瀬野:悪ぃ!!!!



瀬野が慌てて走ってきた。瀬野の格好は・・・寝ぐせ付の上はパーカ。下は7部丈のパンツにサンダルだった。よほど慌てて家を出たらしい。蓮花は安心したと同時に怒りがこみ上げてきた。



蓮花:!!!遅いし、心配したし!!もう!!


瀬野:本当にすまん・・・昨日寝れなくて・・・。


蓮花:何!夜更かし!!??


瀬野:いや・・・そんな所で・・・(緊張して寝れんかったとはとても言えん・・・)。


蓮花:マック!!


瀬野:?


蓮花:ポテト付ね!!


瀬野:それで許してくれんのか?


蓮花:事故にでもあったのかと思ったじゃん!来たからいいよっ、マックで許す!!


瀬野:ハハ・・・サンキュ・・・!



瀬野は我に帰り私服の蓮花を見て、また可愛いと思った。と同時に自分の格好にビックリした。



瀬野:おいっ!一旦俺ん家行くぞ。


蓮花:っはぁ~?何でっ!


瀬野:だって俺の格好見てみ!パジャマだろ!こんな奴と歩きたいかよお前!


蓮花:瀬野は瀬野じゃん!別にどんな格好でもいいよっ。


瀬野:・・・・それはそれで嬉しいか・・・って違う!!嬉しいけど、俺が嫌だ!頼む蓮花!


蓮花:あ~はいはい。行きますよ(-_-;)。遅刻した上に・・・・。


瀬野:ごめんなさい・・・サラダも付けます。


蓮花:勿論。



瀬野は遅刻はしたものの、1時間強も待っていてくれた事がすごく嬉しかった。そして、蓮花と待ち合わせをして休日に出かけるという事がまた、たまらなく嬉しかった。←そして寝れず寝坊した・・・。



瀬野:お前、可愛いな・・・。


蓮花:!!照れる!!


瀬野:超!可愛いな。


蓮花:!!


瀬野:アハハ。



蓮花はすごいドキっとした。2人は瀬野宅へ向かい、蓮花は美里にメールをした。



美里バイト先―


『♪♪♪~』


美里:・・・(ったく、なぁに遅刻してんだか・・・)(--〆)

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