第20話:パーソナルスペース
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
教室ー
美里:あ、瀬野!おかえり蓮花~♪ガムテあった?
瀬野と蓮花は教室に戻って、瀬野は文化祭の準備を始めた。
蓮花:・・・はいガムテ。
美里:・・・・?何か・・・あったの?
蓮花:あのさ・・・。
蓮花は田中に告白をされた事を美里に話た。
美里:っえー!!
美里は大きな声を上げた。
蓮花:っしー!!静かにっっ!
美里:ごめん、ごめんっ!・・・て事は、待つって事?
蓮花:・・うんそう言ってた。
美里:そうか・・・(機が熟すまで待つのか・・・)・・あれ?瀬野と会った後?
蓮花:うぅん、田中くんとしばらく話た後に瀬野は来たよ。
美里:そっかー・・・。
蓮花:どした?
美里:あぁ、うぅん。蓮花、焦らないでゆっくし考えなね。何かあったらいつでも言ってきな。
蓮花:うん、ありがと。
そう言うと、美里は瀬野の方へ向かった。
美里:ちゃんとやってるー!?
瀬野:あぁ、やってるよ・・・。
美里:(やっぱりか・・・ったく・・・)暗。
瀬野:美里よ、やっと普通に話をしてくれる様になった奴に・・・いや、なんでもね・・・。
美里:・・・何言ってんの?(解るけど-_-;)
瀬野:いや、距離感を保てなくなったらどうするよ。
美里:んー・・・距離感てさ、傷ついた分大きくなるし、傷つかなくてもいい距離=自分を守れる距離じゃないのかな。誰かがその距離に入ってくると、また傷つけられるんじゃないか?傷つけるんじゃないかって怖くなる感じ?だから難しいよね。
瀬野:・・・・。
美里:これが例えば男女の場合さ、相手の間合いに入れるかどうかなんて、少しずつ近づいてかないと解んないよね。そうしないと傷が痛むと思っていたのに、実際は大丈夫だったかとかも解んないと思うし。だから保つ必要なんてないと思うけど。まぁ、あんたがどんな距離感を大切にしてるかわかんないけど、そんだけ一生懸命思って接してるんだし、相手に伝わらないなんて事あるのかな・・・。
瀬野:おまえ・・・やっぱいい奴な。
美里:だぁかぁらぁ、いい女ってどうせなら言ってよね!!
瀬野:・・・。
美里:言葉につまるなっつぅの(`^´)!!
瀬野:ハハっ。サンキュ。
美里は蓮花の所に帰った。
蓮花:ねぇ、美里大体こっちの看板は枠組み終わったけど次なにする感じ?
美里:あ~・・・じゃ、瀬野らの方の装飾がまだだから、あっち手伝おうか。
蓮花:オッケー!
蓮花は返事をすると装飾の方を手伝いに行き、瀬野の横にストンと座った。
蓮花:どれから手伝う感じ?
瀬野:・・・・。
大体今まで1mくらい離れて接していたのに、手で触れられるくらいの距離に蓮花が自分から座って、話掛けてきた事にビックリしていた。
蓮花:?・・・瀬野?
瀬野:!!は!?
蓮花:もう終わっ・・・た感じじゃないよね・・・?こんなに散らかってるしね・・・。
瀬野:や、これ!この、これ!ここに!つける!
蓮花:ぷっははははっ!あんたいつから韓国人?(笑)
瀬野:・・・まだ終わってねぇし!
蓮花:わかってるし!
瀬野:・・・韓国人じゃねぇし!
蓮花:わかってるし!
瀬野:・・・笑った顔かわいいし・・・。
蓮花:わかって・・・!!えっ!!
瀬野:プハッ!わかってんのかよ。
蓮花:ち・・・違うし!照れるしっ!
瀬野:ホントだし。
蓮花:!!・・・・。
蓮花の心臓はすごい速さで動いていた。