第14話:田中の誤解
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
美里:次選択、あたし楓と音楽だから行くね。
楓:蓮花ちゃん行ってくんね~(´∀`)。
蓮花は美術を選択しているので準備をしていたら廊下から蓮花を呼ぶ声がした。
田中:おっす。木内。
蓮花:田中くん!
田中:美里から聞いたよ、文化祭。
蓮花:そうなのよ、自分もまさかメイド姿になるなんて考えてなかったからビックリだよ(笑)。
田中:4組はクレープ屋だよ。
蓮花:いいなー。次田中くんも美術だよね?・・よいしょっと・・・。
蓮花は荷物をまとめると教室を出て田中と美術室へ向かおうとした。すると後ろから瀬野に呼び止められた。
瀬野:おぃ、美術か?
田中:おー瀬野、お前選択何?
瀬野:俺は体育だ。
田中:おれら美術。そいや始業に遅れんぞ。急ぐか。瀬野体育頑張れよ。
瀬野:!!おうっ。
高橋:瀬野~グラウンド行くぞ~(=^▽^=)。
瀬野:わかってるよっ!
高橋:お前また何か怒ってんのかよ~´`。最近多いなー。
瀬野:怒ってねーよ!
高橋:怒ってんだろ~がっ`´!
美術室ー
橋口(先生):えっと、今日はカップの絵を鉛筆で書いていきますー。鉛筆で影やー・・・
授業が始まった。
田中:瀬野っていい奴だな。
蓮花:瀬野?あぁ、いい奴だよ(笑)。
田中:・・・木内は俺にちゃんと本音で話せてるか?
蓮花:田中くんに?勿論。てゆか、話す前に田中くん悟ってくれてる感じだから言わなくても良くなっちゃう感じだけど。だからいつも感謝してる。
田中:そか。
蓮花:中学ん時から助けられっぱで・・・
田中:助けてねぇよ。俺がそうしたくて、してる事だから助けられてるとか思うな・・・
蓮花:ありがとう。
蓮花は田中を見て笑った。
田中:やっぱ木内は笑った顔が一番可愛いな。
蓮花:え!!!なんか男の人からそんな事言われた事無いからビックリなんですけど!
田中:俺・・・男か・・・?
蓮花:え?男子じゃなかったら新たな発見だけど・・・
田中:!!いや!そっちじゃね~よ!
蓮花:それならそれで受け止めるよ・・・
田中:だから!そうじゃねーからっ!
蓮花:アハハハ。中学ん時からさ、あたしの男子苦手なのコッソリ受け入れてくれて接してくれてたでしょ?だから今度はあたしの番かと思って。
田中:なんだよそれ!
蓮花:だって理解者必要でしょ。だからあたしも田中くんと話す事できたしっ。
田中:え?
蓮花:?あれ?・・・悟ってくれてるって勝手に思ってた・・・。
田中:なんだ・・・そうなのか・・・なんだ・・そうか・・・そうだったんだ・・・。
蓮花:?・・・。
田中:俺の勘違い・・・。
美術を終えて2人は教室へ戻った。
瀬野:おい木内、美術は楽しかったか?
蓮花:ハ?ま~絵~書くの好きだから楽しかったけど・・・。
瀬野:ふーん。
蓮花:何かあんた変。
美里:ね~瀬野ー、文化祭のメイドとボーイの衣装どうするよー?
瀬野:借りるしかねーだろー。
美里:だよねー、衣装見に行くか。
瀬野:おぉ、俺いつでもいいぞー。
美里:了解、バイト無い日は~・・・明日?
瀬野:お~了解!
美里:えっと~、私とアホ瀬野だけじゃ不安だから~、蓮花もね!
蓮花:え?別にいいけど。
美里:サンキュー!じゃ明日ー!
瀬野:おい・・・アホ瀬野って聞こえたぞ・・・