第10話:瀬野の感情
男子嫌いで鈍感な女子高生、蓮花はいつも遠くからさり気なく助けてくれる中学の同級生田中とは安心して会話ができるようになった。高校に進学し、田中とは真逆のタイプの瀬野と出会い・・・続きは本編でどうぞ・・・。
夏の日の夕方、球技大会の後片付けが始まった。
美里:結局男子4組に負けちゃったねぇ!瀬野も相当頑張ってたけど現役サッカー部3人もいちゃぁ勝てないわなぁ。
蓮花:そうだね。男子が、というか、瀬野の悔しがり半端なかったね。
楓:瀬野くんの応援団も泣いてたしねぇ。そいえば、今日は打ち上げあるしょ?なんかカラオケらしいけど。2人とも行くの?
美里:うん行くよ。打ち上げは楽しみ☆(^◇^)女子は優勝したし!いったん帰るでしょ?
蓮花:うん、そうする。
16:00-カラオケボックス
3組のクラス全員がワイワイ騒ぎ、高橋は歌を歌っていた。
美里:つか、高橋歌へたくそー・・・。
瀬野:おい、木内!!お前ちゃんと男子応援してたんだろうな!4組(田中の)の応援してたんじゃあるまいな!
蓮花:うっさい!ていうか、近いし!離れてよねっ!ちゃんと応援してたしっ。
美里:実力不足じゃん?(笑)。
そこに歌い終わった高橋が乱入してきて・・・
高橋:何だと美里ー!俺ら頑張ったんだぞー!
美里:まぁまぁ、女子は優勝できた訳だし?結果オーライって事で(^◇^)☆あの強豪って言われてた4組に2-1だったんだからさぁ。現役サッカー部3人もいたんでしょ?
高橋:何が結果オーライだ!!絶対次こそは勝ってやる!!!チクショー!!
美里:まぁ、コーラでも飲め!
高橋はコーラを一気飲みした。
美里、蓮花:!!ちょっ!!
高橋:ブホッ!!!!!
おもいっきり高橋の噴出したコーラが蓮花の洋服にかかった。
蓮花:!!!・・・・・・。
高橋:わりぃ木内・・・。
美里:最低。
ハンカチで拭きながら美里は言う。
蓮花:いいけど・・・よくないけど・・・まぁいいよ(-_-;)。気にしないで。
蓮花は席を立ち、トイレに向かった。そこで、洋服を吹いて、トイレから出てくると、ドアのそばに瀬野が寄りかかって立っていた。
蓮花:瀬野。
瀬野:や、あいつ悪気は全然なくて。すまん。
蓮花:・・・いいよもう。なんで瀬野が謝るの。
瀬野:なんとなく・・・男子代表。
蓮花:そ。
蓮花:そいえば瀬野ってモテるんだね。初めて知った。応援団とか沢山いたよ。
瀬野:あー・・・嬉しかねぇけどな・・・あのさ・・・田中とはさ・・・木内話すのな。
蓮花:田中くん?うん、唯一話す男子かなぁ。
瀬野:男子・・・。
蓮花:うん、田中くんにはもう中学ん時からお世話になりっぱなし。遠くからいっつも助けてくれてさ、気が効くというか・・・優しいし、いつも救われてる。
瀬野:ふ~ん、そうか・・。
瀬野は今まで感じた事がない感情が湧いてきた。2人はカラオケに戻った。
美里:蓮花大丈夫だった?
蓮花:大丈夫だよ。
高橋:・・・木内、ごめんな。
蓮花:いいよ。
美里:瀬野、なんかあった?何か急にイライラしてない?
瀬野:俺が!?
美里:瀬野って言ったでしょ!?あんた以外誰がいんのよ。
瀬野:・・・・・なんでもねぇよ!
瀬野は何でこんなにイライラするのかこの時は解らなかった。